・タイ拠点で2027年11月までに月産約1200万個へ
・生成AI普及に伴う光トランシーバ需要拡大に対応
・MMCエレクトロニクスタイランド社で段階的に設備増強
三菱マテリアルは10月23日、生成AIの普及に伴う光通信需要の拡大に対応するため、光トランシーバの安定動作を支える温度センサー「フレークサーミスタ(VHシリーズ)」の生産能力を増強すると発表した。グループのタイ製造拠点であるMMCエレクトロニクスタイランド社(タイ王国サムットプラカーン県)で設備を段階的に増強し、2027年11月までに生産能力を2025年比約6倍となる月産約1200万個へ拡大する。
世界的な生成AIの普及を背景に、データセンターで扱われるデータ量が急速に増加している。これに伴い、電気信号と光信号を相互に変換し、サーバー間の高速・大容量通信を支える光トランシーバの需要が拡大している。光トランシーバは温度変化によって通信性能が影響を受けるため、内部の温度を高精度に検知し、安定した動作を維持することが重要となる。
同社のフレークサーミスタ(VHシリーズ)は、光トランシーバ内部の温度を高精度に検知し、安定した通信品質を支える電子部品。1mm未満の超小型サイズでありながら高い精度と信頼性を備え、光トランシーバの小型化・高性能化に貢献している。こうした特長が評価され、世界の主要な光トランシーバメーカーに数多く採用されている。生成AIの普及に伴う高速・大容量通信需要の拡大を背景に、同社製品に対する需要が拡大していることから、今回の生産能力増強を決定した。
同社グループは中期経営戦略(2026〜2028年度)で「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針に掲げ、高機能製品事業においては半導体、xEV、ヘルスケア領域を重点市場と定め、高付加価値製品・ソリューションの提供拡大を進めている。今回の増産は、その戦略に基づく具体的な成長投資であり、生成AIの普及に伴い拡大するデータセンター関連需要を取り込むことで、高機能製品事業の成長と企業価値向上を目指す。
生成AIの普及に伴い、データセンター向けの高速・大容量通信を支える光通信市場は今後も成長が見込まれる。今回の生産能力増強により、拡大する需要への対応と顧客への安定供給を実現するとともに、新規顧客や新規案件の獲得を進める。光トランシーバ向けサーミスタの供給拡大を通じて、光通信分野における事業基盤を強化し、高機能製品事業のさらなる成長につなげる方針。
■MMCエレクトロニクスタイランド社の概要
所在地:Bangplee Industrial Estate, Bangsaothong District, Samutprakarn 10540 Thailand
設立:1987年
資本金:5億6600万タイバーツ(約26億円)
事業内容:電子部品の製造・販売
従業員:約292名(2026年3月末時点)