バルメット(Valmet):2026年10月27日
フィンランドのバルメットは2026年10月27日、ティエト(Tieto)から製造実行システム(Manufacturing Execution System、MES)事業を買収する契約を締結したと発表した。買収対象には、生産計画・実行向けの最新AI搭載型TIPS MESと、パルプ・紙・繊維産業向けのOrder to Cashソリューションが含まれる。これにより、バルメットのオートメーションソリューション事業はパルプ・紙産業向けの提供内容を完成させ、同分野でのリーダーシップをさらに強化するとともに、顧客の自律運用への移行を加速させる能力を拡充する。
オートメーションソリューション事業分野におけるパルプ・紙分野でのリーダーシップ強化は、同社の戦略的優先事項の一つであり、他のプロセス産業での成長と並ぶ。今回の買収は、既存の顧客基盤や技術、グローバルな展開を基盤に、プロセス産業での長期的な成長機会を創出する。
バルメットのオートメーションソリューション事業分野エグゼクティブ・バイス・プレジデント(EVP)のエミリア・トッティラ=ミエッティネン(Emilia Torttila-Miettinen)氏は「オートメーション事業の強化に向けた重要な一歩を踏み出せたことを大変嬉しく思う。今回の買収は、イノベーションと戦略的な買収を通じて提供内容を体系的に拡充するという当社の戦略を具体的に示すものだ。これらの取り組みにより能力を高め、オートメーションサプライヤーとしての市場地位をさらに強化し、顧客により大きな価値を提供し続けていく」とコメントした。
同事業分野パルプ・紙システム担当バイス・プレジデント(VP)のヤリ・アルミ(Jari Almi)氏は「製紙工場の自律化に対する要求が高まる中、市場をリードする製造ソフトウェアプラットフォームを買収するタイミングは適切だ。顧客需要、計画、実行、リアルタイムのプロセス制御をつなぐことで、工場全体のパフォーマンス最適化を支援し、自律運用への移行を加速できる。これにより、顧客の長期的な競争力と事業成功を支える戦略的パートナーとしての地位を強化する」と述べた。
ティエトの最高経営責任者(CEO)エンドレ・ラングネス(Endre Rangnes)氏は「この契約を発表できることを嬉しく思う。バルメットは深い業界専門知識とパルプ・紙セクター向けの包括的な提供内容を持つ、強力な戦略的・産業的オーナーだ。ソフトウェアソリューションを既存ポートフォリオと組み合わせることで、顧客の運用・生産プロセス全体に提供する価値をさらに強化する位置にある。同事業はティエト内で高い自律性を有しているため、顧客、従業員、その他ステークホルダーにとって移行は円滑で成功裏に進むと確信している」と語った。
TIPS MESは、ティエト・インダック(Tieto Indtech)のMESおよびパルプ・紙・繊維産業向けOrder to Cashソリューションから構成される。生産計画と製造運用をつなぎ、メーカーがリアルタイムで生産を管理・最適化するのを支援する。ウェブベースのシステムで、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)として提供され、生成AI機能はバルメットの継続的なAI開発を補完し、イノベーションを推進する新たな機会を提供する。
TIPS MESは欧州で市場をリードし、世界約300のパルプ・紙生産拠点に導入されている。年間売上高は約3,200万ユーロで、確立された顧客基盤を持ち、ソフトウェア保守・サポートによる安定した継続収益を有する。既存顧客は、グローバルチームと現地オフィスを通じて、中断なくサポートとサービスを継続して受けられる。
買収対象事業は、バルメットのプロセス・パフォーマンス・ソリューションズ部門の一部として運営される予定。買収は通例のクロージング条件を満たした上で、2027年第2四半期中に完了する見通し。