三菱重工サーマルシステムズ、水熱源排熱回収温水ヒートポンプ「ETI-W」を海外市場へ投入

三菱重工サーマルシステムズ(東京都千代田区)は10月9日、2025年に日本市場へ投入した水熱源の排熱回収温水ヒートポンプ「ETI-W」の販売地域を海外へ拡大し、2026年10月から販売を開始すると発表した。未利用排熱の有効活用や熱利用の脱炭素化ニーズが世界的に高まる中、高温水領域におけるサーマルソリューションのラインアップを拡充する。
「ETI-W」は、工場の生産過程などで発生する低温の排熱(熱源水)を回収し、ヒートポンプ原理により最高90℃の温水として再利用する製品。最大640kWの加熱能力を備え、これまで十分に活用されていなかった排熱を高温水として有効活用できる。これにより、従来ボイラーなどが担ってきた高温水用途へのヒートポンプ適用範囲を広げる。
海外市場では日本市場と同様に、電子機器、自動車、食品、化学、医薬品工場などのプロセス用途のほか、商業施設や宿泊施設の暖房・給湯などへの展開を進める。販売・サービスは、ターボ冷凍機事業で構築してきた海外体制を活用し、各地域で対応する。顧客の排熱源温度・熱量や必要な温水温度などの条件に応じ、未利用熱の回収・再利用を含むサーマルソリューションを提案する。
冷凍機を有する施設では、冷凍機冷却水の熱を「ETI-W」で回収し高温水として再利用するシステム構成も可能。これにより冷却設備から発生する排熱を温熱需要に有効活用し、エネルギー利用効率向上につなげる。データセンターなど、冷却設備から継続的に排熱が発生する施設についても、条件が適合する場合は熱源として活用し、暖房・給湯などの温熱需要に再利用できる。
「ETI-W」には、同社がターボ冷凍機で培ってきた遠心式圧縮機技術を活用。冷媒の物性や高温水供給に伴う高い圧縮比に適した圧縮機設計により、最高90℃の温水供給時にも加熱時のCOPを4.01とすることを実現した。インバータを機器本体に搭載するとともに熱交換器設計を最適化し、高い加熱能力とコンパクトなパッケージを両立。環境面では低GWP冷媒「HFO-1233zd(E)」を採用している。
三菱重工グループは生産活動に伴う自社工場などからのCO₂排出量削減や、グループ製品使用に伴う顧客側のCO₂排出量削減などに取り組んでいる。三菱重工サーマルシステムズは、一般空調、工場空調、地域冷暖房などに多数のターボ冷凍機を供給してきた実績を生かし、今後もターボ冷凍機やヒートポンプなどの製品・技術を通じ、顧客の多様な熱需要に応じたサーマルソリューションを提供し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく方針。

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