ディア(Deere & Company):2026年10月6日
ジョンディア(John Deere)は、米国環境保護庁(EPA)の改訂ガイダンスに対応し、農業・建設・林業機械を対象に、ディーゼル排ガス液(DEF)および選択触媒還元(SCR)システムに関するソフトウェア更新を進めている。顧客から寄せられた、より実用的な修理時間の確保や出力制限の緩和、DEF品質診断の改善を求める声を反映したもので、機械の生産性を維持しながら不具合への対応時間を確保する。
■顧客の声を反映
従来の規制要件では、特定のDEFおよびSCR関連の故障が検知された場合、最短4時間程度で機械の運転がアイドリング状態に制限されるケースがあった。これらのシステムは当時のEPA排出ガス規制を満たしていたものの、顧客にとっては、問題の診断や部品の調達、サービスの手配、進行中の作業を安全に完了するために、より多くの時間が必要となる場合があった。
ジョンディアは規制当局や業界関係者と協力し、排出ガス規制への適合を維持しながら、顧客にとって不必要な作業中断を減らす、より実用的な対応を提唱してきた。
EPAのガイダンスによって機械メーカーが採用できる対応策の選択肢が拡大したことを受け、ジョンディアは2025年11月からソフトウェア更新を開始し、対象となる各機械プラットフォームへの展開を現在も進めている。
■故障対応まで約20時間を確保
今回のソフトウェア更新で顧客にとって大きな変更となるのが、機械の運転制限に至るまでの時間である。
従来、特定のDEFおよびSCR関連の故障では、約4時間後に機械の運転がアイドリング状態に制限される可能性があった。新たなソフトウェア対応では、運転制限に達するまでの時間が約20時間に延長された。
これにより、農業では当日の作業を終えてからサービスを手配できるほか、建設現場では重要な作業を完了してから修理のために機械を戻すことが可能になる。また、林業現場でも作業途中に生産性を失うことなく、メンテナンスをより計画的に実施できる。
更新されたソフトウェアでは、DEF品質の診断性能も向上させた。さらに、故障発生時の運転制限について、従来のアイドリングのみへの制限から、定格エンジン出力の約30%を使用できる状態へと変更した。
■2026年末までに約80%を展開
ジョンディアは2026年末までに、今回の対象となるソフトウェア更新の約80%を顧客に提供できる見通しで、残りについては2027年を通じて順次展開する予定である。
この取り組みの一環として、ジョンディアはコネクテッド機械に対してソフトウェア更新を積極的に配信している。2026年の収穫シーズンに向けて、コンバインや8R、9Rトラクターなど、2014年以降のモデルを含む大型農業機械の全プラットフォームについて、ソフトウェア更新の提供をすでに完了した。
顧客が更新を受けるには、通知が表示された際に承認する必要がある。また、ジョンディアの販売店を通じて、または「オペレーションズ・センター(Operations Center)PRO Service」からインストールすることもできる。
今回の更新により、顧客は不具合の診断、修理の手配、部品の発注、重要な作業の完了に向けて、従来よりも多くの時間と柔軟性を確保できるようになる。
コメントを投稿するにはログインしてください。