川崎重工、ボッシュ・レックスロスと次世代建機・水素分野で協業覚書

・ソフトウェア定義型ショベルと水素充填機器で連携

川崎重工業は3月3日、ドイツのボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)AGと、次世代の建設機械および水素ソリューション分野での協業に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。将来の建設現場におけるイノベーションと持続可能性の推進、水素社会実現の加速を狙う。

今回の覚書では、川崎重工が培ってきた精密油圧ハードウェアおよびショベルシステム技術と、ボッシュ・レックスロスのシステムインテグレーション力、先進的な電子機器・ソフトウェア技術を融合。建設機械業界が直面する安全性向上、自律化、データ連携、エネルギー転換といった課題に対応する「インテリジェントマシン」コンセプトの創出を目指す。

■具体的な協力テーマは以下の通り。

・複数領域の情報を連携・統合するソフトウェア活用による高度な自動制御操作の実現
・自動運転技術および作業環境の安全確認機能の強化による運用効率と現場安全性の向上
・高効率な油圧・電動・水素システムの統合による建設機械の進化と現場のサステナビリティ向上
・水素燃料充填ステーション関連機器における協力推進

建設機械市場、とりわけ世界市場の約半分を占めるショベル分野では、電動化やデジタル化の進展に伴い、機械制御の高度化やソフトウェア主導の機能拡張が加速している。両社は、ハードとソフトを高度に統合した“ソフトウェア定義型”ソリューションの開発を通じ、OEM各社への提案力を強化する。

ボッシュ・レックスロスAGの最高技術責任者(CTO)、ステフェン・ハーク(Steffen Haack)博士は「両社の強みを統合することで、先進油圧、電動化、デジタル化、エネルギー源の変化に自信を持って対応できるようOEMパートナーを支援する。建機業界が大きな変革期にある中、今回の協業はグローバルショベル市場におけるソフトウェア定義型ソリューションの統合を加速させる」とコメントした。

川崎重工業 精密機械・ロボットカンパニープレジデントの松田義基氏は「当社は油圧技術の革新を軸に、OEMエンジニアリングチームと連携しアプリケーション特化型ソリューションを提供してきた。今回の提携により、提供領域は先進デジタル分野や電動化分野へ大きく広がる。特にショベルなど重要セグメントにおいて、統合的でインテリジェントかつ本質的に安全なソリューションの提供を可能にする」と述べた。また、水素社会実現に向けた取り組みを強化する立場から、水素関連分野での対話深化にも意欲を示した。

なお、本覚書に基づく具体的な取り組みについては、競争法上の審査対象となる可能性があるため、今後両社で詳細を検討していくとしている。

油圧大手とシステム制御大手の連携は、建設機械の電動化・自律化の流れを加速させるとともに、水素エネルギー分野での産業用途拡大にも波及効果をもたらしそうだ。

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