キオン(KION)、26年1~9月期は増収増益、インテリジェント・オートメーション事業がけん引

・通期見通しを下方修正

キオン・グループ(KION GROUP AG):2026年10月29日

独産業車両大手のキオン・グループは10月29日、2026年12月期第3四半期(7~9月)および1~9月期の業績を発表した。グループ全体では売上高と収益性が増加したが、2つの事業セグメントで異なる動きとなった。インテリジェント・オートメーション・ソリューションズ(Intelligent Automation Solutions、IAS)セグメントが売上高と利益を大幅に伸ばした一方、インダストリアル・トラックス&サービシズ(Industrial Trucks & Services、ITS)セグメントの受注高が想定を下回った。

1~9月期のグループ受注高は84億4,500万ユーロ(前年同期88億8,200万ユーロ)と減少した。ITSは58億9,700万ユーロ(同59億7,000万ユーロ)とわずかに減少。APAC地域の比率上昇やエントリーレベルの倉庫用トラックの比率増加による地域・製品ミックスの変化が影響した。IASは25億7,500万ユーロ(同29億4,100万ユーロ)で、前年同期の第2四半期に記録的なプロジェクト受注があった反動で減少した。

グループ売上高は85億2,200万ユーロと前年同期比3.9%増加した。ITSは60億3,400万ユーロ(同60億7,900万ユーロ)とわずかに減少。台数ベースでは出荷が増加したものの、エントリーレベルの倉庫用トラックの比率上昇が売上高を圧迫した。サービス事業はわずかに増加した。IASは25億1,900万ユーロと16.9%増加。プロジェクト事業の好調と、高水準だった前年並みのサービス事業が寄与した。

調整後EBIT(営業利益)は6億3,250万ユーロと9.9%増加し、調整後EBIT利益率は7.4%(同7.0%)に改善した。ITSは5億2,870万ユーロ(同5億2,950万ユーロ)とわずかに減少し、利益率は8.8%(同8.7%)。新規事業の売上減少と為替のマイナス影響があった一方、サービス事業の粗利率改善、効率化プログラムの効果拡大、長期インセンティブプログラムの評価減が一部相殺した。IASは1億7,220万ユーロと36.6%増加し、利益率は6.8%(同5.8%)。プロジェクト事業の粗利益大幅増が主因で、高マージンのサービス事業の貢献は前年をわずかに下回った。

純利益は3億910万ユーロ(同1億6,710万ユーロ)と大幅に増加した。前年は効率化プログラム関連の一時費用が重くのしかかっていた。フリーキャッシュフローは1億2,110万ユーロ(同3億9,280万ユーロ)とプラスを確保したが、M&A活動の増加と効率化プログラム関連の支払いが影響した。

ロブ・スミス(Rob Smith)最高経営責任者(CEO)は「1~9月期、IASは収益性の高い成長戦略に沿って非常に良好に推移し、売上高と調整後EBITが二桁成長を達成した。非常に強い実績だ。APAC地域ではITSが中国の産業車両メーカーと真っ向から競争したが、EMEAの強い市場成長には乗らなかった」とコメントした。

通期見通しについては、第3四半期の業績を踏まえ、10月14日に見直しを実施した。主にITSの受注高が第3四半期に想定通りに推移しなかったことが要因。ITSの目標引き下げに伴い、グループの主要業績指標の見通しを引き下げた。IASは従来予想レンジ内で絞り込んだ。

■2026年通期見通し(単位:百万ユーロ)

・グループ売上高:1万1,450~1万1,750(7月時点:1万1,525~1万2,025) ・グループ調整後EBIT:815~875(同:880~980) ・フリーキャッシュフロー:400~500(同:420~540) ・ROCE:7.8~8.4%(同:8.4~9.4%)

・ITS売上高:8,100~8,300(同:8,200~8,500) ・ITS調整後EBIT:690~740(同:765~835)

・IAS売上高:3,350~3,450(同:3,325~3,525) ・IAS調整後EBIT:230~250(同:230~270)

 

見直し後の見通しと市場環境を踏まえ、グループおよび両セグメントの中期目標である調整後EBIT利益率の二桁達成は、2027年以降になる見通しだ。

 

■ キオン・グループ(KION GROUP AG)について

キオンは、グローバルから地域、ローカルまで世界の貿易を支え、顧客のサプライチェーンの潜在力を最大限に引き出すことを目指している。効率的でスマート、持続可能かつ信頼性の高い、リアルタイムのトレーサビリティと高い配送スピードを実現するソリューションを提供する。産業車両、統合自動化技術、AIベースのソリューション、ソフトウェアおよび関連サービスをフルラインで展開。顧客の倉庫、生産工場、配送センターにおける資材と情報の円滑な流れを、世界100カ国以上で支えている。

MDAX上場の同グループは、2024年の販売台数ベースでEMEA地域最大の産業車両メーカー。2024年の売上高ベースでは、中国における海外メーカー首位、国内メーカーを含めると第3位。倉庫自動化市場では、2024年の売上高ベースで世界最大のプロバイダー。

2025年末時点で、キオンの産業車両は世界6大陸のさまざまな業種・規模の顧客のもとで200万台超が稼働している。従業員数は現在4万2,000人超で、2025年の売上高は約113億ユーロだった。

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