エレクトロニクス商社の丸文(東京都中央区)は10月27日、取り扱い製品であるAeolus Robotics社製ヒューマノイドAIロボット「Aeolus(アイオロス)」を活用した警備サービスの本格提供を開始したと発表した。
「Aeolus」は2本のアームと独自のAI技術を備え、エレベーターの改修工事を一切必要とせず、自らボタンを押して階間移動できる高い自律性を持つ実用型AIロボット。オフィスビルや商業施設、病院などの警備巡回・立哨業務を自動化し、現場のDXを支援する。丸文はこれまで展開してきた介護施設向けサービスに加え、本ロボットの導入を通じて、ビルメンテナンスや施設管理における警備員不足の解消に貢献する方針だ。
背景には、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、ビルメンテナンスや警備市場で人材不足や警備員の高齢化が深刻化していることがある。特に夜間の巡回・警備業務の負担が大きく、ロボットによる自動化・省人化への期待が高まっている。一方、従来の警備ロボットを複数階で運用する場合、エレベーターとのシステム連携に約300万〜1,000万円の改修費用や数カ月の工期が必要となり、導入の障壁となっていた。築年数が経過したビルでは連携自体が困難なケースも少なくない。
こうした課題を解決するため、丸文とAeolus社は介護施設などで培った自律走行技術とロボットアーム操作能力をベースに、警備市場への展開を本格化。既存設備の改修を不要とすることで、築年数が経過したビルやシステム連携が難しかった施設でも、低コストかつスピーディな警備DXを実現する。
■「Aeolus」警備運用の主な特長は以下の通り。
- エレベーター連携費用0円でフロア間の自律移動を実現 AIがエレベーターパネルを認識し、ロボットアームでボタンを物理操作して乗降する。エレベーター側の改修が不要なため連携費用は発生せず、築年数が経過したビルや従来連携できなかったエレベーターにも対応可能。
- 暗闇を克服するナイトビジョンと3D空間認識 LiDARや3Dビジョンで障害物を回避し、ナイトビジョンにより消灯後の暗いオフィスや病院内でも正確に移動・見回りを遂行する。
- 異常や環境チェックをAIが判断し警報
正常な状況を画像で覚えさせることで、現状との差異をAIが検知すると警告を発報。異常の早期発見により警備員の迅速な対処を可能にする。
具体的な活用シーンとしては、オフィスビルや商業施設での夜間巡回で、複数階にまたがる巡回や異常検知・警告を実施。消火器の有無、消火栓周りの障害物、ドア開閉、施錠確認などを検知できる。立哨では姿勢検知機能により転倒や座り込みなどを検知して警告を発報し、急病人やけが人の早期発見を支援。人を検知すると簡単な挨拶や警告を自動で発するほか、来客へのホスピタリティや飲食禁止・立ち入り禁止エリアでの警告、不審者への心理的抑止力としても機能する。360度カメラのストリーミング映像を確認でき、管理センターからロボットを通じて直接話しかけることも可能。 今後は、施設や建物の状況に応じて検知できる異常の種類を拡張するとともに、AI chatbotを活用した案内や相談対応など機能向上を進め、同ロボットの普及を通じてさまざまな現場のDX推進に貢献していく。
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