シチズンマシナリー(長野県北佐久郡御代田町)は10月8日、主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom L32」と主軸台固定形CNC自動旋盤「Miyano BNE-65ATC」に、複雑な形状の加工に対応する「Cincom L32ハイスペックモデル」「Miyano BNE-65ATCハイスペックモデル」の2機種を追加すると発表した。受注開始は2027年2月。2026年10月26~31日に東京ビッグサイトで開催される「第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)」の同社ブースで初披露する。
AI関連、医療、歯科、航空宇宙、半導体、宝飾、腕時計などの分野では、斜め穴あけや曲面などを持つ複雑形状部品の加工ニーズが高まっている。こうした部品は従来、旋削加工とミーリング加工など複数の工程に分け、マシニングセンターを含む複数の設備で加工するのが一般的だった。設備をまたぐ場合、ワークの着脱や位置決め、工程間の搬送が必要となり、生産工程の複雑化につながっていた。
同社はB軸、ATC(自動工具交換装置)、高速回転工具、LFV(低周波振動切削)技術などを組み合わせることで、従来は複数の設備・工程を必要とした斜め穴あけや曲面、ミーリングなどの複雑加工を自動旋盤で実現。ワークの着脱や工程間の輸送・位置決めを削減し、自動旋盤のコンパクトさと連続加工性を生かした工程集約と生産性向上を支援する。
■製品1:Cincom L32ハイスペックモデル
小径の精密部品や複雑形状部品の加工に特化したモデル。同時5軸に対応するB軸旋回式のATC工具主軸を搭載し、最高回転数を従来の12,000 min⁻¹からマシニングセンターで求められる30,000 min⁻¹へ2.5倍に高めた。工具を高速で回転させることで、穴加工やミーリング加工、曲面加工などの加工領域を広げている。
30,000 min⁻¹の高速回転と自動旋盤ならではのコンパクトサイズを両立するため、歯車増速機構を新たに開発。高出力モーターと組み合わせることで、工具主軸サイズを小型化しながら高速回転と高トルクを実現した。ATC工具主軸には最大10 MPaの高圧クーラントに対応したノズルを設け、安定した複雑加工を支援する。
■製品2:Miyano BNE-65ATCハイスペックモデル
最大加工径φ65 mmの中径部品に対応し、コンパクトな機械サイズを維持しながら、複雑形状部品の工程集約と長時間の連続加工を可能にしたモデル。新たに開発した歯車増速機構により、工具や加工条件に応じて回転速度を6,000 min⁻¹と12,000 min⁻¹に切り替えられるようになった。小径工具に必要な周速を確保する高速回転と、高負荷加工に適したトルクを使い分けることで、穴あけやフライス加工の対応範囲を広げている。クーラントスルー仕様にも対応し、工具先端から切削点へクーラントを供給することで深穴加工時の切りくず排出を支援する。
B軸による斜め穴あけにもLFV技術を搭載可能とした。同社独自の同時2軸制御によるLFV技術により、切りくずを細かく分断して刃具の破損を抑えながら、加工時間の短縮を支援する。24本のツールが格納できるATC装置により、複数プログラムを一つの段取りで連続運転させることが可能。タレットによる高速工具割り出しとATCによる工具選択の柔軟性を生かし、複雑形状部品への対応とサイクルタイムの短縮に貢献する。
JIMTOF2026の会場では、B軸とATCを活用した同時5軸加工、高速回転工具による精密加工、LFV技術を用いた斜め穴加工などを実演する。
■主な仕様
- 最大加工径:Cincom L32ハイスペックモデル φ32 mm(OP:φ38)、Miyano BNE-65ATCハイスペックモデル φ65 mm
- 主軸最高回転数:Cincom L32ハイスペックモデル 8,000 min⁻¹、Miyano BNE-65ATCハイスペックモデル 5,000 min⁻¹
- B軸工具主軸最高回転数:Cincom L32ハイスペックモデル 30,000 min⁻¹、Miyano BNE-65ATCハイスペックモデル 6,000/12,000 min⁻¹切替
- ATC工具本数:Cincom L32ハイスペックモデル 12本、Miyano BNE-65ATCハイスペックモデル 24本
- 受注開始:2027年2月
- 出展:第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)
コメントを投稿するにはログインしてください。