・既設水素製造装置の復旧(約200億円)と液化水素プラント新設(約300億円)で水素サプライチェーンを構築
・コスモ石油千葉製油所構内に集約、EPCは両社合弁のコスモ岩谷水素エンジニアリングが担当
コスモエネルギーホールディングスと岩谷産業は10月6日、千葉県市原市のコスモ石油千葉製油所において、既設水素製造装置の復旧と液化水素プラントの新設を核とする水素事業を共同で推進することを決定し、最終投資決定(FID)を行ったと発表した。2024年4月に締結した資本業務提携に基づく具体的な設備投資案件となる。
本事業では、コスモ石油が休止中の水素製造装置を復旧し、製造した水素を石油精製プロセスで活用するとともに、一部を岩谷産業グループに供給する。
岩谷産業グループは製油所構内に新設する液化水素プラントで水素を液化し、ローリーなどで国内需要家へ販売する。これにより、コスモエネルギーグループは精製に必要な水素を安定的に確保し製油所の操業基盤を強化、岩谷産業グループは国内4か所目の液化水素製造拠点を得て供給体制を拡充する。
■プラント概要
①復旧する水素製造プラント
・所在地:千葉県市原市(コスモ石油千葉製油所構内)
・製造能力:80トン/日相当
・事業者:コスモ石油
・稼働開始予定:2030年
・投資額:約200億円
②新設する水素液化プラント
・所在地:同上
・製造能力:11.6トン/日相当
・事業者:岩谷瓦斯
・稼働開始予定:2030年
・投資額:約300億円
EPC(設計・調達・建設)は、2023年11月にコスモエンジニアリングと岩谷産業が共同設立したコスモ岩谷水素エンジニアリング合同会社が担う。両社の協業成果を建設段階から結実させる位置づけだ。
水素は利用時にCO2を排出しないクリーンエネルギーとして、モビリティや発電など多様な分野で需要拡大が見込まれる。製油所にとっても精製プロセスに不可欠な水素の安定確保は、操業と製品供給の基盤となる。両社は製造機能を集約してコストを抑制し、競争力のある水素サプライチェーンを構築。将来の石油化学業界再編やコンビナート構造変化にも対応できる事業継続性を確保する狙いだ。
岩谷産業グループは国内水素供給シェア約7割(オンサイト・パイピング除く、同社調べ)を有する製造・輸送・貯蔵ネットワークを持ち、コスモエネルギーグループの製油所知見と組み合わせることで事業を強化する。