IHI回転機械エンジニアリングのLH₂ BOG圧縮機、川崎重工の川崎LH₂ ターミナル向けに採用

・世界初の商用規模液化水素基地の安定操業に貢献

IHIの100%グループ会社であるIHI回転機械エンジニアリング(東京都江東区)は10月7日、同社が手掛ける液化水素ボイルオフガス(LH₂ BOG)圧縮機が、川崎重工業が神奈川県川崎市扇島で建設を進める液化水素基地「川崎LH₂ ターミナル」向けに採用されたと発表した。

川崎LH₂ ターミナルは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO )のグリーンイノベーション基金事業の支援を受け、日本水素エネルギーが主導する「液化水素サプライチェーンの商用化実証」の中核施設の一つで、世界初の商用規模の液化水素基地となる。

同圧縮機は、LH₂貯蔵タンク内で発生する気化ガス(BOG)を直接吸入・圧縮し、タンク内の圧力を適正に維持するとともに、パイプラインを通じた需要家へのガス供給を支える。これにより、ターミナルの安定操業に貢献する。

IHI回転機械エンジニアリングは、LNG 受入基地向けLNGBOG 圧縮機で培った知見と自社開発のプロトタイプ機の成果を活用し、極低温水素ガスを直接吸入・圧縮する技術を開発してきた。

主な特長は次の通り。
・真空ジャケット:シリンダに真空断熱構造を採用し、周囲からの熱侵入を抑制。外表面での空気液化を防ぎ、約−240℃の極低温水素ガスの直接吸入を可能にする。極低温域での圧縮特性を活かし、高い省エネ性能を実現する。
・3室型中間筒シールシステム:水素ガスの漏えいや潤滑油への混入を防止するため、中間筒を3室構造とし、水素ガス系統と潤滑油系統を段階的に隔離する(特許番号:日本第6781795号、世界各国で特許出願中)。
・極低温ガス対応材料:ガスに接する主要部材に極低温水素環境下での耐久性と信頼性を確保する材料を採用。

同社は、川崎LH₂ターミナル向けLH₂BOG圧縮機の提供を通じ、脱炭素エネルギーインフラの社会実装を支援する。今後も顧客およびパートナー企業と連携し、脱炭素エネルギーインフラを支えるキーデバイスとしての価値を高め、低炭素社会の実現に貢献する方針。

ニュースリリース