・建機用フィルタが牽引し売上高は過去最高、営業利益は微減
・機能素材事業の立ち上げ費用が重荷、通期予想は据え置き
ヤマシンフィルタが11月4日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期、2026年4〜9月)の連結決算は、売上高が前年同期比9.7%増の112億8,200万円、営業利益が同2.5%減の13億3,800万円、経常利益が同1.6%減の13億2,800万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同8.7%増の9億8,800万円となった。1株当たり中間純利益は14円27銭で、前年同期の12円99銭から増加した。
■建機用フィルタが過去最高、新規事業の先行投資が利益を圧迫
全体の業績は、主力の建機用フィルタ事業が北米のAIデータセンタ需要などを背景とした新車需要の堅調な推移や、北米市場でのシェア拡大戦略の進展により、売上高・営業利益ともに過去最高を更新したことが牽引した。中東情勢を背景とした原材料価格の高騰が想定を上回る水準で推移したものの、増収などでカバーした。一方、新規事業である機能素材事業の立ち上げ費用が発生したことから、連結全体の営業利益は減益となった。経常利益の減益は為替差損の増加なども影響した。純利益は、法人税等の減少により増益を確保した。
■セグメント別では建機・エアが改善、機能素材は先行投資続く
建機用フィルタ事業は、売上高が前年同期比9.7%増の100億9,700万円、営業利益が同6.2%増の15億6,300万円となった。営業利益率は16.0%から15.5%へ低下した。製品別では、ライン品が17.9%増の39億1,100万円と大きく伸びた一方、補給品は5.8%増の54億4,600万円にとどまった。地域別では北米・南米が10.0%増の24億9,700万円、欧州が14.7%増の10億6,500万円と伸びた。北米市場シェアは25.2%に拡大し、高付加価値製品比率は28%となった。
エアフィルタ事業は、前年の基幹システム入れ替えに伴う混乱が収束し、売上高が同9.1%増の11億8,400万円となった。営業損益は2,600万円の赤字と、前年同期の1億100万円の赤字から7,400万円縮小した。
当中間期から新たに報告セグメントとして記載を始めた機能素材事業は、売上高が60万円にとどまり、営業損失は1億9,800万円となった。国内高級ブランド2社でアパレル向け製品の販売を開始しており、現時点でほぼ完売したという。信州大学との共同研究やミツフジ社との製品開発も進めている。
■通期予想は据え置き、配当は中間10円
2027年3月期の通期連結業績予想は、2026年5月公表から変更していない。売上高は前期比7.7%増の225億6,000万円、営業利益は同9.0%増の28億2,500万円、経常利益は同9.5%増の27億7,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.7%増の20億500万円、1株当たり当期純利益は28円71銭を見込む。セグメント別では、建機用フィルタが売上高202億円、営業利益31億9,000万円、エアフィルタが売上高23億3,000万円、営業利益500万円で通期黒字化を目指す。機能素材は売上高3,000万円、営業損失3億7,000万円を計画する。
配当は、中間配当が前年の8円から10円に増額となり、期末配当予想10円と合わせた年間配当は前期の18円から20円となる見込み。配当予想の修正はない。
■財政状態
中間期末の総資産は306億7,300万円と、前期末から約26億円増加した。短期借入金が20億円増えて36億円となったほか、投資有価証券の取得(5億円)やソフトウエアの増加などが主な要因。純資産は229億3,400万円、自己資本比率は74.8%(前期末81.3%)となった。期中には自己株式100万株を取得し、譲渡制限付株式報酬として自己株式95万6,574株を処分した。
同社は新たなエクイティストーリー「YAMASHIN FILTER VISION 2030」のもと、機能テキスタイル、ライフサイエンス、産業資材の3分野への参入を視野に、目標時価総額3,000億円の実現に向けた新規事業ポートフォリオの確立を進める方針。