カルマー、2026年7〜9月期決算、受注高は22%増、通期利益率見通しを据え置き

カルマー(Kalmar):2026年10月29日

カルマーは10月29日、2026年1〜9月期(第3四半期累計)決算を発表した。7〜9月期は北米を中心とする設備機器事業の受注が好調で、受注高は前年同期比22%増の4億5,800万ユーロとなった。売上高はほぼ前年並みの4億3,300万ユーロ(前年同期4億3,600万ユーロ)で、サービス事業の増収が設備機器事業の小幅減収を補った。営業キャッシュフローも大幅に改善した。2026年通期の業績見通しは据え置き、比較可能営業利益率12.5%超を見込む。

7〜9月期の受注高は、為替変動の影響を除いても21%増となった。設備機器事業が大きく伸び、サービス事業は前年並みだった。地域別では米州が50%増と大きく伸び、全受注の39%(前年同期32%)を占めた。欧州・中東・アフリカ(EMEA)は大型案件が寄与して11%増、アジア太平洋(APAC)は5%増となった。エコポートフォリオの受注高は32%増の2億1,600万ユーロで、全受注の47%(同43%)を占めた。9月末時点の受注残は10億400万ユーロ(2025年末9億7,700万ユーロ、前年同期9億6,100万ユーロ)に積み上がった。

売上高は前年同期比1%減の4億3,300万ユーロ。設備機器事業は2%減、サービス事業は2%増だった。エコポートフォリオの売上高は7%減の1億8,700万ユーロ、全社売上に占める比率は43%(同46%)に低下した。地域別ではEMEAが2%減、APACが6%減となり、米州は3%増だった。

営業利益は5,200万ユーロ(前年同期6,100万ユーロ)、営業利益率は12.0%(同13.9%)だった。比較可能営業利益は6%減の5,640万ユーロ、同利益率は13.0%(同13.8%)で、前年の高水準との比較で減益となったものの、利益率は前四半期の12.4%から改善した。米国のIEEPA関税の還付が収益に小幅なプラスに寄与した。

営業活動によるキャッシュフロー(金融項目・税引前)は8,160万ユーロと、前年同期の2,560万ユーロから大幅に改善した。当期純利益は3,860万ユーロ(同4,470万ユーロ)、1株当たり利益(EPS)は0.60ユーロ(同0.70ユーロ)。有利子負債倍率(純有利子負債/EBITDA)はマイナス0.1倍(同0.3倍)となり、9月末時点で純有利子負債は3,400万ユーロのマイナス(ネットキャッシュ)に転じた。

第3四半期累計(1〜9月)の業績は、受注高が4%増の13億5,800万ユーロ、売上高が6%増の13億3,200万ユーロだった。エコポートフォリオ売上は9%増の6億700万ユーロで、全社売上の46%(前年同期44%)を占めた。営業利益は1億6,200万ユーロ(同1億6,000万ユーロ)、比較可能営業利益は3%増の1億6,800万ユーロ、同利益率は12.6%(同13.0%)だった。営業キャッシュフローは2億3,000万ユーロ(同1億3,300万ユーロ)に拡大し、当期純利益は1億2,200万ユーロ(同1億1,800万ユーロ)、EPSは1.90ユーロ(同1.84ユーロ)となった。直近12カ月の投下資本利益率(ROCE)は22.4%だった。

サミ・ニーラネン(Sami Niiranen)社長兼CEOは、「地政学的な不確実性や貿易摩擦が続く中でも、市場需要は安定して推移した。受注の勢いが良く、キャッシュ創出も堅調で、足元の事業基盤は強固だ」とコメントした。一方で「APACでは納入の遅れが生じており、物流・輸送ルートや部品供給の混乱が続けば長期化する可能性がある。先行調達や柔軟な生産体制、ドライビング・エクセレンスで影響の抑制に努める」と述べた。

収益改善策「ドライビング・エクセレンス(Driving Excellence)」は順調に進展しており、9月末までに年間換算で約5,400万ユーロの総効率改善効果を確保した。2026年末までの目標である5,000万ユーロをすでに上回っている。確保した改善の大半は調達活動によるものだという。

第3四半期には、スウェーデン・ユングビーに、マテリアルハンドリング機器向けとして業界初となる全自動の試験センターを開設した。電動車(EV)とディーゼルの両製品ラインについて、極寒から酷暑までの過酷な条件下で製品ライフサイクル全体の試験が行え、製品の信頼性向上と市場投入期間の短縮につなげる。また、APMターミナルズと戦略的パートナーシップを結び、自動化システム「カルマー・ワン(Kalmar One)」の共同開発を進める。受注面では、フィリピンのICTSI向けハイブリッド・ストラドルキャリア12台、豪パトリック・ターミナルズ向けハイブリッド・ストラドルキャリア10台およびハイブリッド型「オートストラッド」12台、仏アルナル向け電動空コンテナハンドラー3台、ブラジルのポルトナーベ向け電動リーチスタッカー5台などを獲得した。

事業別では、設備機器事業の受注高が36%増の3億1,000万ユーロ、売上高が2%減の2億8,100万ユーロ、比較可能営業利益率は12.6%(前年同期12.7%)だった。関税の影響は抑制した。サービス事業は受注高が1億4,800万ユーロ(同1億4,700万ユーロ)、売上高が2%増の1億5,300万ユーロ、同利益率は17.6%(同18.5%)で、過去3四半期より改善した。

同社は今後6カ月の市場需要について、「直近の四半期とほぼ同水準で推移する」と予想。2026年通期については、比較可能営業利益率12.5%超との従来予想を維持した。なお、同社は11月2日に資本市場説明会(キャピタル・マーケッツ・デー)を開催する予定。

また9月3日には、成長加速と効率化に向けた運営体制の再編に着手すると発表。ターミナルトラクター部門とホリゾンタル・トランスポーテーション部門を統合する方針で、アルト・ケスキネン(Arto Keskinen)氏が統合部門の責任者に、トール・ブレンデン(Thor Brenden)氏がカウンターバランス部門の責任者に就く。いずれも2027年1月1日付。

■カルマー(Kalmar)について
カルマーはフィンランド・ヘルシンキに本社を置き、港湾・ターミナル、物流センター、製造業、重物流向けの大型マテリアルハンドリング機器とサービスを展開する。120カ国以上で事業を展開し、世界で約7万台の稼働機械を保有、従業員数は約5,300人。2025年の売上高は約17億ユーロだった。

ニュースリリース
第3四半期決算レポート