米キャタピラー(CAT)、26年7~9月売上は17%増の207億ドル、1~9月は21%増の586億ドル

・受注は好調、バックログは過去最高。営業利益は38%増、利益率も改善

Caterpillar(キャタピラー):2026年10月29日

テキサス州アービング、米建機大手キャタピラー(NYSE: CAT)は10月29日、2026年第3四半期(7~9月)の決算を発表した。売上高は206.82億ドル(約3兆3,091億2,000万円、160円換算)となり、前年同期(176.38億ドル)比で17%増加した。販売量の増加(22億ドル)と価格実現の改善(6.63億ドル)が主因で、販売量の増加は主にエンドユーザー向け機械販売の増加によるもの。第3四半期累計(1~9月)の売上高は586.40億ドル(約9兆3,824億円、160円換算)となり、前年同期(484.56億ドル)比で21%増加した。

営業利益は42.14億ドルで前年同期(30.52億ドル)比38%増、営業利益率は20.4%(前年同期17.3%)、調整後営業利益率は20.6%(同17.5%)に改善した。第3四半期の1株当たり利益(希薄化後)は7.13ドル、調整後は7.20ドルとなり、前年同期(4.88ドル、調整後4.95ドル)を大きく上回った。調整後の数値はリストラ費用を除外している。累計の営業利益は115.94億ドルで37%増、1株当たり利益(希薄化後)は20.36ドルで、前年同期(13.69ドル)比49%増となった。

第3四半期の企業全体の営業キャッシュフローは44億ドル、四半期末の現金残高は79億ドル。同四半期には自社株買いに12億ドル、配当に7億ドル、合計20億ドルの現金を投じた。累計では自社株買いに77.45億ドル、配当に21.48億ドルを支出している。

Joe Creed(ジョー・クリード)会長兼CEOは、「第3四半期の業績は、当社の最終市場の底堅さを反映したものであり、力強い受注と過去最高のバックログがある。チームは変化の激しい環境の中でも戦略的優先事項を着実に実行しており、今年を力強い1年とするとともに、顧客と株主に長期的な価値を提供する態勢を整えている」とコメントしている。

第3四半期の営業利益には、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税還付額1.28億ドルが含まれている。

■第3四半期の部門別状況
<Power & Energy>(電力・エネルギー)

売上高は87.84億ドルで、前年同期比18%(13.21億ドル)増加。販売量の増加(8.79億ドル)と価格実現の改善(2.16億ドル)が主な要因。
・発電(Power Generation):34.21億ドル(30%増)。データセンター向けを中心に、タービン関連サービスや大型往復動エンジンが増加。
・石油・ガス:22.36億ドル(13%増)。往復動エンジンのアフターマーケット部品、ガス圧縮用エンジン、タービン関連サービスが増加。
・産業用:16.31億ドル(4%増)。主に北米で増加。
同部門の利益は21.43億ドルで前年同期比31%(5.10億ドル)増。主に販売量増加による利益押し上げが寄与した。セグメント利益率は24.4%(前年同期21.9%)。

<Construction Industries>(建設産業)

売上高は79.83億ドルで、前年同期比18%(12.23億ドル)増加。販売量増加(8.74億ドル)と価格実現の改善(3.49億ドル)が主因。販売量の増加は主にエンドユーザー向け販売の増加による。
・北米:47.96億ドル(23%増)。販売量増加と価格改善により増収。
・中南米:8.25億ドル(26%増)。ディーラー在庫の変動を主因とする販売量増加で増収。
・EAME:13.66億ドル(12%増)。価格改善とエンドユーザー向け販売増で増収。
・アジア太平洋:9.25億ドル(2%増)。販売量増加が寄与したが、価格実現の悪化と円安など為替の悪影響が一部相殺した。
同部門の利益は18.31億ドルで前年同期比33%(4.54億ドル)増。販売量増加(3.56億ドル)と価格改善(3.49億ドル)が寄与した一方、運賃上昇を含む製造コストの悪化(2.52億ドル)が一部相殺した。セグメント利益率は22.9%(前年同期20.4%)。

<Resource Industries>(資源産業)

売上高は46.15億ドルで、前年同期比15%(6.16億ドル)増加。販売量増加(4.78億ドル)と価格実現の改善(0.96億ドル)が主因。
・鉱山・重機建設・砕石関連:36.97億ドル(22%増)。ディーラー在庫の変動が主因。
・鉄道:8.32億ドル(5%減)。国際機関車納入の減少が響いたが、鉄道関連サービスの増加で一部相殺。
同部門の利益は6.22億ドルで前年同期比14%(0.78億ドル)増。販売量増加(1.81億ドル)と価格改善(0.96億ドル)が寄与した一方、関税を含む材料費の上昇を反映した製造コストの悪化(2.08億ドル)が一部相殺した。セグメント利益率は13.5%(前年同期13.6%)。

<FINANCIAL PRODUCTS SEGMENT>(金融商品セグメント)

売上高は11.77億ドルで、前年同期より1.01億ドル(9%)増加。全地域での平均収益資産の増加(1.25億ドル)が寄与した一方、アジア太平洋を除く全地域での平均融資金利の低下(0.38億ドル)が一部相殺した。
同部門の利益は2.64億ドルで前年同期比10%(0.23億ドル)増益。平均収益資産の増加(0.52億ドル)が寄与した一方、Cat Financialにおける貸倒引当金繰入の増加(0.34億ドル)が一部相殺した。

延滞率は前年同期の1.47%から1.31%に改善。貸倒損失(回収控除後)は2,800万ドル(前年同期は4,000万ドル)。2026年9月30日時点の信用損失引当金は3.32億ドルで、金融債権残高の0.91%に相当する(26年6月末は2.94億ドル・0.84%、25年末は2.84億ドル・0.86%)。

■地域別売上
連結売上高を地域別にみると、北米が120.17億ドル(24%増)、中南米が21.24億ドル(15%増)、EAMEが37.28億ドル(15%増)、アジア太平洋が28.13億ドル(2%減)だった。

■その他損益・税金
その他収益(費用)は1.35億ドルの利益となり、前年同期(2.08億ドルの利益)を下回った。トータル・リターン・スワップ契約の悪影響が主因で、商品ヘッジの好影響が一部相殺した。実効税率は22.9%(前年同期26.7%)。なお、全社・消去項目の費用は4.53億ドルで、繰延報酬制度関連の公正価値調整の好転により前年同期から1.31億ドル減少した。

■会社概要
キャタピラーは、建設・鉱山機械、オフハイウェイ用ディーゼルおよび天然ガスエンジン、産業用ガスタービン、ディーゼル電気機関車における世界的リーディングカンパニーであり、2025年通期の売上収益は676億ドル(約10兆8,160億円、160円換算)だった。同社は100年以上にわたり、より持続可能な世界の構築に貢献しており、世界最大級の独立系ディーラーネットワークとCat Financialによる金融サービスを強みに、「Power & Energy(電力・エネルギー)」「Construction Industries(建設産業)」「Resource Industries(資源産業)」の主要3部門を通じて、商業的卓越性と先進技術により顧客の課題解決に取り組んでいる。今回の決算では、主要3セグメントすべてで増収となり、受注の好調と過去最高のバックログが引き続き成長を支える結果となった。なお、同社は第4四半期および通期の調整後1株当たり利益について、年金等の時価評価損益を除外して説明する方針を示している。

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