日立建機が10月29日に発表した2027年3月期第2四半期累計(4~9月)連結業績によると、売上収益は6,980億7,600万円(前年同期比増減率6.7%)と増収となった。部品・サービスの売上増に加え為替円安影響もあり、上期として過去最高を更新した。利益項目については、物流費を中心としたコスト増があったものの、部品・サービスを中心としたバリューチェーン比率の改善や為替円安影響により、調整後営業利益は751億8,600万円(同25.0%)と増益となった。調整後営業利益率は10.8%(前年同期9.2%)に改善した。また、固定資産売却に伴うその他の収益計上もあり、親会社株主に帰属する中間利益は496億8,400万円(同31.6%)となった。
第2四半期(7~9月)の売上収益は3,689億円(同6.0%)、調整後営業利益は407億円(同7.1%)、営業利益は432億円(同△5.3%)となった。
当中間期は、北米では公共投資やエネルギー関連工事が需要を下支えしたほか、中南米では高水準の資源価格を背景にハードロックを中心としたマイニング需要が底堅く推移した。欧州でも前年同期比で需要が回復基調にあった。一方、中東地域を中心に物流の混乱が続いたほか、世界的なエネルギー価格の高騰や金利高の影響が見られた。
地域別の売上収益は、中南米が262億円(同68.1%)、インドが453億円(同23.2%)、オセアニアが1,446億円(同18.7%)、欧州が1,004億円(同8.7%)と伸長した。北米は1,457億円(同0.9%)と横ばい圏にとどまり、中東は147億円(同△33.4%)と減収だった。
■先崎正文社長のコメント:第2四半期においては、引き続き中東情勢の影響が見られるものの、油圧ショベルの需要は総じて底堅く推移しています。特に北米におけるデータセンターなどの大型工事が需要を押し上げています。欧州も回復基調にあり、マイニングの分野では中南米のハードロックを中心に堅調な需要が継続しています。このような環境下、当社においては、特に部品、サービスの売上増加が業績を後押しいたしました。為替の円安の追い風もあり、上期としては過去最高の売上収益を達成いたしました。
利益面においては、引き続き輸送費などのコストの上昇が見られる中でも、バリューチェーン比率の改善などにより、前年度比増益を達成しております。このように堅調な上期の定席を、上期の実績を踏まえまして、通期の業績予想も上方修正いたします。
中東情勢による物流の混乱やエネルギー価格高騰などを不透明要素として認識しつつ、北米などを中心に堅調な需要が維持されることを想定しています。米国における関税の影響については、前回と同様の想定を据え置き、過去からの販売価格引き上げなどにより一定程度を吸収いたします。
また、残り半年を切ったランドクロス(LANDCROS)への社名、ブランドの変更に向けた必要なコストを引き続き織り込んでいます。中期経営計画LANDCROS 2028において、初動のこの半年は順調だと評価しております。業界トップスリーに向けた売り上げ規模の本格的な拡大はまだこれからでございますが、そのための施策は着実に進捗しています。
ヤンマーホールディングスやBell Equipmentとの協業など、重要な打ち手であるオープン戦略もスピード感を持って推進しています。今後の進展にも引き続きご注目いただきますようお願いいたします。
■セグメントの業績
① 建設機械ビジネス
売上収益は6,256億8,400万円(同6.3%)、調整後営業利益は709億1,300万円(同30.0%)と前年同期比で増収増益となった。中南米やインドが伸長したほか、為替円安影響等もあり、業績を押し上げた。
② スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス
同事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されている。
売上収益は779億8,400万円(同11.2%)と前年同期比増収であった一方、調整後営業利益は42億7,300万円(同△23.9%)と減益となった。為替円安の影響により売上は増加したものの、顧客の投資抑制や競争環境激化により調整後営業利益は減益となった。
なお、上記①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値。
■財政状態
資産合計は1兆8,416億4,200万円と前期末比156億7,900万円減少した。棚卸資産が増加した一方、営業債権が減少した。親会社株主持分比率は48.8%(前期末48.5%)、ネットD/Eレシオは0.41となった。営業活動によるキャッシュ・フローは523億8,500万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは61億1,500万円の支出で、フリー・キャッシュ・フローは462億7,000万円の収入となった。財務活動では、自己株式の取得305億7,300万円や配当金の支払いなどにより687億9,900万円の支出となった。
■今後の見通し
2027年3月期において、需要環境に対する不透明感は継続しているものの、当中間期の堅調な業績を踏まえ、連結業績予想を上方修正した。中東地域を中心とした物流の混乱や世界的なエネルギー価格高騰、金利高についても、リスクとして最大限考慮している。グローバル全体での油圧ショベルの年間需要見通しは前回から変更せず、前年比で若干の減少(2%減)を見込む。
マイニング分野では、銅や金の価格は堅調に推移する一方、石炭、鉄鉱石などの資源価格は弱含んでいる。マイニング製品の新車需要も見通しを据え置き、前年比で5~10%の減少を見込む。
なお、2027年4月の社名・ブランド変更に伴い、調整後営業利益にブランドプロモーションコストとして168億円、その他営業支出にブランドスイッチングコストとして100億円を見込む。米国関税については、関税コスト192億円に対し売価アップ184億円を見込み、損益への影響は8億円のマイナスと、前回見通しから変更していない。
年間配当については、安定的にキャッシュを創出している近時の状況に鑑み、前年度から増配となる1株当たり190円(中間配当90円、期末配当100円)の計画を維持する。
2027年3月期(2026年度)連結業績予想は、売上収益1兆5,000億円(前期比6.7%増)、調整後営業利益1,550億円(同16.6%増)、税引前当期利益1,500億円(同20.7%増)、親会社株主に帰属する当期利益900億円(同23.0%増)。前回公表値に比べ、売上収益は300億円、調整後営業利益は50億円、親会社株主に帰属する当期利益は60億円上方修正した。
業績見通しの前提となる第3四半期以降の為替レートは、米ドル154円、ユーロ179円、人民元23.2円、豪ドル111円。前回7月公表時から、ユーロと豪ドルを円高方向に修正した。
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