
コマツが10月29日に発表した2027年3月期の第2四半期累計(26年4~9月)業績によると、連結売上高は2兆1,586億円(前年同期比14.1%増加)となった。建設機械・車両部門では、前年同期に比べて円安となった影響に加え、販売量の増加や販売価格の改善により、売上高は前年同期を上回った。産業機械他部門では、主に半導体産業向け事業の売り上げ増加などにより、売上高は前年同期を上回った。
利益については、建設機械・車両部門でコストの増加などの影響はあるものの、円安の影響と販売価格の改善効果および販売量の増加により増益となった。リテールファイナンス部門と産業機械他部門も増益だった。この結果、営業利益は2,866億円(前年同期比3.5%増加)、売上高営業利益率は前年同期を1.3ポイント下回る13.3%、税引前中間純利益は2,710億円(同4.9%増加)、当社株主に帰属する中間純利益は1,919億円(同9.2%増加)となった。
第2四半期(26年7~9月)の連結売上高は1兆1,155億円(前年同期比13.6%増加)。営業利益は1,351億円(同1.2%減少)、売上高営業利益率は12.1%(同1.8ポイント低下)となった。税引前四半期純利益は1,310億円(同3.1%増加)、当社株主に帰属する四半期純利益は958億円(同13.3%増加)で、売上高と純利益は増加したものの、営業利益は減益となった。想定為替レートは1ドル=159.4円(前年同期147.3円)、1ユーロ=183.7円(同171.3円)。
コマツは、2028年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」の2年目を迎えている。成長戦略の3本柱として、①イノベーションによる価値共創、②成長性と収益性の追求、③経営基盤の革新 を掲げ、「安全で生産性の高いクリーンな現場を実現するソリューションパートナー」を目指している。9月には統合報告書「コマツレポート2026」を発行し、初年度の振り返りに加えて、自動化・遠隔操作化やAI活用、人的資本、自然資本への取り組みを紹介した。
◾需要が想定を上回り、通期業績予想を上方修正
コマツは、7月29日に公表した通期連結業績予想を上方修正した。建設機械・車両セグメントで上期に多くの地域の需要が当初想定を上回って推移し、通期でも上回る見込みとなったことに加え、第2四半期の為替が想定より円安で推移したため。2027年3月期の予想は、売上高4兆4,500億円(前期比7.7%増、7月公表比1,480億円増)、営業利益5,850億円(同3.1%増、300億円増)、税引前当期純利益5,480億円(同2.0%増、400億円増)、当社株主に帰属する当期純利益3,820億円(同1.5%増、330億円増)。増収増益の見通しとなる。
通期平均の為替レートは1ドル=154.5円、1ユーロ=179.1円、1豪ドル=109.2円(前回は152.1円、176.6円、107.6円)とした。下期の前提は1ドル=150円、1ユーロ=174円、1豪ドル=106円で、7月公表から変更はない。年間配当は190円(中間95円)の予想を据え置いた。
主要7建機(鉱山機械を除く)の2026年度第2四半期の世界需要台数は前年同期比6%増、上期累計では同12%増だった。通期見通しは、7月時点の前年比0%~+5%から+5%~+10%に上方修正した。北米では第2四半期の需要が同14%増となり、データセンター投資によるレンタル向けが増加したほか、鉱山・エネルギー向けも堅調だった。通期見通しは0%~+5%から+5%~+10%に引き上げた。欧州は第2四半期が同2%増で、ドイツ、英国を中心に公共投資が需要を牽引しており、通期見通しは0%~+5%のまま変更していない。アジアは同8%増となり、インドネシアでは農業向けが堅調な一方で石炭向けは依然低迷、通期見通しは0%~▲5%から前年並みに引き上げた。日本は同2%減で、通期見通しは前年並みのまま。
鉱山機械の第2四半期需要は前年同期比5%増で、中南米の銅鉱山向けやアフリカ・北米の金鉱山向けが堅調だった。通期需要見通しは、7月時点の▲5%~▲10%から0%~▲5%に上方修正した。鉱山機械の外部顧客向け通期売上高は前年比4.8%増の1兆9,967億円(為替除き0.9%増)、一般建機は同10.8%増の2兆956億円(同7.9%増)を見込む。アジアの石炭向け需要減少と中近東の減収を、銅・金鉱山向け需要が堅調な中南米やアフリカの増収で補い、鉱山機械全体では前年並みとなる見通し。
部品売上高は第2四半期が前年同期比11.7%増の2,911億円で、アフターマーケット比率は53%だった。通期では5.9%増の1兆1,177億円を見込む。
■部門別の概況
[建設機械・車両]
建設機械・車両部門の売上高は1兆9,996億円(前年同期比14.8%増加)、セグメント利益は2,445億円(同1.0%増加)、利益率は12.2%(同1.7ポイント低下)となった。セグメント利益の増減要因は、為替差が+409億円、販売価格差が+273億円、物量差・構成差他が+16億円。一方、原価差が▲469億円(うち米国関税影響▲397億円、同還付+128億円)、固定費差が▲204億円だった。
第2四半期の同部門は、売上高が1兆326億円(前年同期比15.1%増加)、セグメント利益が1,143億円(同4.5%減少)。円安、物量増、販売価格改善のプラス影響があったものの、コスト増などのマイナス影響で減益となった。外部顧客向け売上高は1兆288億円(同14.9%増)で、為替影響を除くと5.9%増。内訳は鉱山機械が5,020億円(同8.5%増、為替除き1.4%減)、一般建機が5,268億円(同21.9%増、為替除き13.7%増)だった。
建設現場向け施工管理ソリューションのスマートコンストラクションⓇについて、日米欧豪でのICT建機の販売割合を示す「ICT建機化率」は30.1%となった。鉱山機械では、無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数が9月末時点で1,089台に達した。
7月には、ブルドーザー・油圧ショベル向け自律運転技術を開発する米国AIM Intelligent Machines社と、建設現場における自律施工の実現に向けた戦略的パートナーシップを締結した。スマートコンストラクションⓇと自律運転技術を連携させ、自律施工を加速する。9月には、コマツインディアが初めて主体となって開発した東南アジア市場向けの7トン級油圧ショベル「PC75-10M0」の販売を開始。新興国市場向けの「PC200-11M2」「PC210-11M2」も導入し、各地域の顧客ニーズに即した商品展開を強化した。また、アトラシアン・ウィリアムズF1チームとのグローバルパートナーシップ延長にも合意している。
■地域別の概況(上期、外部顧客向け売上高)
<米州>
北米では、インフラやレンタル向けを中心に需要が堅調に推移し一般建機の販売が増加したことに加え、鉱山機械の販売増加や円安の影響により、売上高は前年同期比24.8%増加した。
中南米では、銅需要が堅調に推移する中、チリなどで鉱山機械の販売が増加したことや円安の影響により、同33.9%増加した。
<欧州・アフリカ・中近東>
欧州では、ドイツやイギリスのインフラ投資計画の進展などを背景に需要が堅調に推移するとともに、円安の影響により、売上高は同11.3%増加した。
アフリカでは、金の需要の堅調な推移やインフラ工事需要の高まりを背景に、鉱山機械および一般建機の販売が増加したことや円安の影響により、同31.7%増加した。
中近東では、中東情勢の影響により、一般建機および鉱山機械の販売が減少し、同37.2%減少した。
<オセアニア・アジア・CIS>
オセアニアでは、鉱山機械の販売が減少したものの、円安の影響により、売上高は同5.6%増加した。アジアでは、インドネシアにおいて石炭採掘量の制限などを背景に鉱山機械の需要が低迷し、同15.1%減少した。中国では、円安の影響により同8.9%増加、CISでも円安の影響により同23.8%増加した。
<日本>
日本では、人件費・資材価格の高騰や労働力不足などを背景に、一般ユーザー向けおよびレンタル向けの需要が引き続き低迷していることから、売上高は同3.9%減少した。
[リテールファイナンス]
リテールファイナンス部門では、主に円安の影響および資産の拡大により、売上高は654億円(前年同期比7.3%増加)、セグメント利益は174億円(同2.9%増加)となった。新規取組高は、北米、欧州、アフリカでのファイナンス利用増により、前年同期比1,174億円増の6,524億円。第2四半期は売上高327億円(同7.2%増)、セグメント利益77億円(同3.0%増)だった。
[産業機械他]
産業機械他部門では、主に半導体産業向け事業の売り上げ増加などにより、売上高は1,145億円(前年同期比7.1%増加)、セグメント利益は211億円(同27.0%増加)、利益率は18.4%(同2.9ポイント上昇)となった。事業別の売上高は、ギガフォトンが417億円(同29.6%増)と伸びた一方、コマツ産機は283億円(同15.5%減)、コマツNTCは176億円(同27.7%減)と、自動車産業向けが減収だった。第2四半期は売上高616億円(同2.9%減)、セグメント利益121億円(同28.4%増)。
■財政状態とキャッシュ・フロー
中間期末の総資産は、為替が円高となったものの、棚卸資産の増加などにより、前期末比1,032億円増加の6兆5,272億円となった。棚卸資産は同928億円増の1兆6,947億円、有利子負債残高は同1,053億円増の1兆4,463億円。株主資本は同408億円減の3兆4,700億円となり、株主資本比率は同1.5ポイント減の53.2%となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産が増加したものの、中間純利益などにより1,393億円の収入(前年同期比117億円の収入増加)。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の購入などにより1,190億円の支出(同249億円の支出増加)となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式取得や配当金の支払いにより780億円の支出(前年同期は715億円の支出)で、フリー・キャッシュ・フローは203億円の収入だった。現金及び現金同等物の中間期末残高は前期末比584億円減の3,813億円。
■連結業績予想に関する定性的情報
2027年3月期の連結業績は、以下のとおり増収増益となる見通しで、2026年10月29日に上方修正した。
売上高4兆4,500億円(前期比7.7%増)、営業利益5,850億円(同3.1%増)、税引前当期純利益5,480億円(同2.0%増)、当社株主に帰属する当期純利益3,820億円(同1.5%増)。
セグメント別では、建設機械・車両が売上高4兆1,200億円(同8.2%増)、セグメント利益5,040億円(同2.6%増)、リテールファイナンスが売上高1,295億円(同2.7%増)、セグメント利益365億円(同0.2%減)、産業機械他が売上高2,575億円(同7.9%増)、セグメント利益440億円(同16.0%増)となる見込み。
コメントを投稿するにはログインしてください。