ボッシュ・レックスロスとAMD、ctrlX OSで産業用AIを機械上に直接実装

ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2026年10月8日

ボッシュ・レックスロスは10月8日、AMD(AMD)と協業し、ソフトウェア定義型オートメーションと産業用AIをctrlX OSエコシステム(ctrlX OS Ecosystem)を基盤に推進すると発表した。オープンでLinuxベースの産業用オペレーティングシステム「ctrlX OS」が、AMDの幅広い組込みプロセッサをサポート。これにより、要求の高いAIアプリケーションをクラウドや追加のアクセラレータカードなしに、機械・システム上で直接実行可能になる。
AMDのRyzen AI組込みプラットフォームは、CPU・GPU・NPUのリソースを1つのシステムに統合。従来のオートメーションタスク、グラフィックス処理、AI推論に必要な計算能力を提供する。ctrlX OSと組み合わせることで、ユーザーは用途に応じて適切な計算リソースを選択的に活用できる。

ボッシュ・レックスロスのオートメーション&エレクトリフィケーションソリューション事業部セールス上級副社長、シュテッフェン・ウィンクラー(Steffen Winkler)氏は、「産業用AIにより、機械上で直接利用可能な処理能力への要求が大幅に高まっている。同時にユーザーは、使用するハード・ソフト・AIモデルを自ら選択できるオープンさを求めている。AMDとの協業により、ctrlX OSがオートメーションの世界と最新のコンピューティング・AIリソースをつなぐ強力な基盤を築く」と述べている。

AIエージェントは機械上でローカルに動作する。両社は2026年7月の「AMD Advancing AI 2026」カンファレンスで、複数のAIエージェントと大規模言語モデル(LLM)をAMDエッジハードウェア上のctrlX OSで完全にローカル実行し、CPU・GPU・NPUを活用したローカル推論を実証した。

AIエージェントは、ctrlXデータレイヤ(ctrlX Data Layer)と中央モデルコンテキストプロトコル(MCP)サーバーを介して、機械知識・エンジニアリングデータ・現在のプロセスデータにアクセスする。MCPサーバーはctrlX OS上で動作し、ボッシュ・レックスロスおよびエンドユーザーの関連インターフェースを接続。AIはオートメーション環境から直接産業コンテキストを取得し、データが発生する現場で活用できる。

ローカル推論の利点は明確だ。生産・機械データを自社インフラ内に留められ、継続的なクラウド推論コストが発生せず、高速な応答が可能になる。追加のアクセラレータカードやクラウドインフラは不要。

この協業は、ctrlX OSのコア哲学である「ソフトとハードの徹底的な分離」に沿うもの。工作機械メーカーやOEMは、用途に合わせたハード・計算能力を選択しつつ、統一されたソフト基盤の恩恵を受けられる。

AMDのロボティクス・産業・ヘルスケア担当責任者、アメイ・デオスターリ(Amey Deosthali)氏は、「次世代のAMD組込みプロセッサは要求の高いエッジアプリケーション向けに最適化されている。工作機械メーカーにとって重要なのは、この性能を具体的な用途にいかに迅速に生かすかだ。ctrlX OSにより、AMD組込みプロセッサ基盤のプラットフォーム上で拡大する産業用アプリケーション・機能のエコシステムに直接アクセスでき、ハードごとに別々のソフトスタックを開発せずに新アプリケーションを実装できる」と指摘する。

協業はオートメーションチェーンの双方に利益をもたらす。デバイスメーカーは高性能なAMDハード上にctrlX OSを容易に展開し、独自ソリューションを開発しやすくなる。ユーザー側は、高度で柔軟な計算能力をオートメーション、ビジョン、AIアプリケーションに活用できる。

■ ボッシュレックスロス(Bosch Rexroth)について

ボッシュ(Bosch)グループで駆動・制御技術を担う。モバイルおよびインダストリアルアプリケーション、ファクトリーオートメーションの各分野で、油圧、電動ドライブ・制御、ギア、リニアモーション、アセンブリ技術などを提供する。世界80カ国以上に拠点を持ち、従業員は約31,900人。2025年の売上高は65億ユーロだった。

ボッシュグループの従業員は約413,000人(2025年12月31日時点)、2025年の売上高は910億ユーロ。ロバート・ボッシュ(Robert Bosch GmbH)と、約500の子会社・地域会社で構成され、研究開発に約82,000人が従事している。  

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