日立製作所は9月25日、鉄道システム事業を担う日立レールが、オーストリア連邦鉄道(ÖBB)が進める信号システムのデジタル化プロジェクトにおいて、選定された2社のテクノロジーパートナーの一角に選ばれたと発表した。総額13億ユーロ(約2,340億円、180円換算)、契約期間30年に及ぶ長期包括契約で、欧州の鉄道インフラ分野でも最大規模かつ戦略的重要性の高い案件のひとつとなる。
発表は9月22日、ドイツで開催された世界最大級の鉄道国際見本市「イノトランス」の会場で行われた。ÖBBインフラストラクチャー取締役会メンバーのヨハン・プルイ氏が登壇し、オーストリア連邦大臣ピーター・ハンケ氏も臨席。日立レールからは北・中・東欧担当バイスプレジデントのハネス・ボイヤー氏が出席した。
■対象は約300ユニット、幹線から支線まで段階的に刷新
今回のプロジェクトは、ÖBBのインフラネットワーク全体に展開するデジタル連動装置、約300ユニットを対象とする。日立レールは安全性にかかわる基幹ソフトウェアの開発から、全国規模での展開、そして長期にわたる保守サービスまでを一貫して担う。
既存の電子連動装置を、デジタル化・標準化・集中化されたアーキテクチャへと段階的に置き換えることで、利用頻度の高い幹線から地域路線・支線まで、拡張性の高い導入を目指す方針だ。シェアードコンピューティングや標準化コンポーネント、計画的なソフトウェアリリース、保守・診断機能の高度化などにより、システムの複雑性と保守負荷を低減し、運行の可用性・信頼性向上と長期的なコスト効率化の両立を図る。
■ウィーンで40名を新規採用、拠点機能を強化
日立レールはプロジェクト推進にあたり、ウィーン・ハンデルスカイ拠点で高度専門人財40名を新たに採用する計画を明らかにした。同拠点は、安全性に直結するソフトウェア開発、プロジェクト固有の統合・エンジニアリングサービス、展開・保守サービスを担う中核拠点と位置づけられる。日立レールはオーストリアで60年以上の事業実績を持ち、現地のR&D・エンジニアリング機能とグローバルな信号システムの専門知見を融合させることで、欧州全域への展開ノウハウの蓄積にもつなげる考え。
■関係者コメント
日立レールのハネス・ボイヤー氏は、グローバルな信号システムの知見とオーストリアのエンジニアリング力を融合し、次世代に向けた信頼性・効率性の高い鉄道基盤を構築すると強調。ÖBBのヨハン・プルイ氏は、デジタル連動装置を将来の鉄道システムを支える中核技術と位置づけ、今回の契約がデジタル交通管理分野における新たな国際標準の構築につながるとの認識を示した。
■プロジェクト概要
•案件概要:日立レールがオーストリア連邦鉄道(ÖBB)の信号デジタル化プロジェクトで2社のテクノロジーパートナーの一社に選定
•契約規模:総額13億ユーロ(約2,340億円)、契約期間30年の包括契約
•業務範囲:安全関連ソフトウェアの開発、ÖBBインフラネットワーク全体への展開、長期保守サービス
・対象規模:デジタル連動装置 約300ユニット(幹線〜地域路線・支線)
・発表日・場所:2026年9月22日、ドイツ・ベルリンで開催の国際見本市「イノトランス」
・主要人物:ÖBBインフラストラクチャー取締役会メンバー ヨハン・プルイ氏、日立レール北・中・東欧担当VP ハネス・ボイヤー氏、オーストリア連邦大臣ピーター・ハンケ氏(臨席)
・雇用計画:ウィーン拠点で高度専門人財40名を新規採用予定
・狙い:システムの複雑性・保守負荷の低減、運行の可用性・信頼性向上、長期的なコスト効率化
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