コネクレーンズ(Konecranes):2026年9月24日
コネクレーンズは9月24日、顧客産業の脱炭素化を支援する長期的な気候目標を設定したと発表した。2019年を基準年として、2050年までにスコープ1、2、3の温室効果ガス(GHG)排出量を絶対量ベースで90%削減する。
今回の長期目標は、2025年に科学的根拠に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)によって検証・再承認された2030年の短期目標を補完するもの。2030年までに2019年比で、スコープ1・2のGHG排出量を絶対量ベースで60%、スコープ3については購入した製品・サービスおよび販売製品の使用に伴う排出量を含めて50%削減する目標を掲げている。また、自社製造におけるカーボンニュートラル*も目指している。
今回の長期目標は、SBTiのネットゼロ基準(Net-Zero Standard)が定めるGHG排出量の絶対量削減目標と同水準の削減率を設定したものであり、パリ協定に基づく世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える経路にも沿ったものとしている。
コネクレーンズのマルコ・トゥロカス(Marko Tulokas)社長兼CEOは、「当社は2022年の時点で、スコープ1・2のGHG排出量を半減する当初の2030年目標をすでに達成した。昨年、2030年の目標水準を引き上げ、現在はその達成に注力している。今年は全製品ラインの電動化を完了するという新たな節目にも到達した。電動機器の提供を通じて、顧客の事業活動に伴う排出量削減を支援するとともに、将来的なバリューチェーン全体の排出量削減にもつなげていく。今回の発表は、気候変動対策に向けた当社の取り組みと長期的なコミットメントに基づくものである。低排出ソリューションの提供は大きな事業機会であると同時に、顧客産業の脱炭素化を支援するものと考えている」とコメントしている。
2050年目標の達成に向け、同社は自社の事業活動およびバリューチェーン全体で排出量削減を継続する。最大の貢献策として、電動機器などの低排出ソリューションを顧客に提供する。さらに、製品群における低排出材料や循環型ソリューションの活用を拡大するとともに、自社事業活動の脱炭素化を進める。
一方、目標達成には、顧客産業の脱炭素化、低排出型の鉄鋼生産・輸送、クリーンなエネルギーシステムの普及など、より広範な市場構造の転換も必要になるとしている。
同社は、気候変動の緩和に最も効果的に貢献する方法は、GHG排出量そのものを削減することだとしている。従来は、SBTiの検証を受けた長期ネットゼロ目標を設定する方針を掲げていた。しかし、SBTiが「ネットゼロ基準2.0(Net-Zero Standard 2.0)」を発表し、残余排出量の中和をより重視するようになったことに加え、同基準の今後の実施・発展について不確実性があることから、長期気候目標についてSBTiの検証を取得する方針を取りやめた。
今回の長期気候目標は、絶対量ベースのGHG排出量削減について同基準の要求事項に沿っている一方、残余排出量の中和は含んでいない。
なお、SBTiによって2025年に引き上げられ、再検証された同社の科学的根拠に基づく2030年の短期目標については変更しない。
*カーボンニュートラルとは、まず絶対排出量を可能な限り削減し、そのうえで避けられない排出量について、検証済みカーボンクレジットを購入して相殺することを指す。カーボンクレジットの購入は、他地域での排出削減プロジェクトに資金を提供することで、即時的な排出削減効果につながるとしている。
■ コネクレーンズ(Konecranes)について
コネクレーンズは、港湾・産業分野における重量物などの搬送を100年以上にわたり支援している。長年にわたる業界経験、グローバルな事業展開、顧客との密接な関係を強みとし、幅広い納入実績から得られる知見に技術とサービスを組み合わせ、顧客の設備性能と価値向上につなげている。
2025年の売上高は42億ユーロ(約7,560億円、1ユーロ=180円換算)。従業員数は約1万6,500人。株式はナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki)に上場しており、銘柄コードは「KCR」。