・インノトランスで22トン級市場に参入
リープヘル(Liebherr):2026年9月22日
ベルリン(Berlin)発、建設機械大手のリープヘル(Liebherr)は、2026年9月22日から25日までドイツ・ベルリンで開催される鉄道関連の国際見本市「インノトランス(InnoTrans) 2026」において、新型鉄道用油圧ショベル「RE 22 M リトロニック(RE 22 M Litronic)」を世界で初めて公開する。同社にとって22〜25.7トン級への参入となる新モデルで、油圧走行式のレール・ホイール駆動を備え、既存の「A 922 レール」「A 924 レール」の後継機として位置付けられる。
■ 主なポイント
・22トン級で高い性能を発揮する新型「RE 22 M リトロニック」は、2種類の走行方式を併用できる点が特長
・新設計の下部走行体と、直感操作が可能な新開発の運転制御システム「INTUSI」を搭載した新型キャブを採用
・高品質かつ独自の油圧システムにより、軌道建設工事で最大級の作業性能を実現
リープヘルは1967年から鉄道用油圧ショベルの開発を手掛けており、相手先ブランド(OEM)供給を含むこの専門分野で世界首位の地位を占める。今回のインノトランスでは、同社として初めてとなる22〜25.7トン級の投入により製品ラインアップを拡充する。新型「RE 22 M」は「A 922 レール」と同じ出力120kWのエンジンを搭載し、同社が定評を持つ油圧システムと組み合わせることで、鉄道の建設・保守作業に求められる精度、効率、信頼性を確保したという。
鉄道用油圧ショベル分野でリープヘルの強みとなってきた実績ある技術を踏襲しつつ、新型「RE 22 M リトロニック」には複数の改良が加えられている。標準仕様の後部旋回半径は2,000ミリメートルで、承認を条件にオプションの重量カウンターウエイトを装着した場合は2,110ミリメートルまで拡大する。全面刷新したデュアルキャブと最新の操作コンセプト「INTUSI」の採用により、操作性・人間工学面の快適性を高め、現場での作業効率向上につなげる狙いだ。
■下部走行体を刷新、2つの走行モードに対応
新型「RE 22 M」の主要な技術革新の一つが、新開発の下部走行体である。新世代モデルの標準仕様として採用され、現在特許出願中だという。油圧駆動によるレール・ホイール走行方式により、下部走行体を下げてブームを上げた状態での走行(カテゴリー9A)が可能なほか、ゴムタイヤを装着すれば下部走行体を上げてタイヤをレール上で直接走行させる方式(カテゴリー9C)にも対応し、走行に必要な牽引力を確保しつつ軌道インフラへの負荷を抑えられるとしている。
この独自方式により、異なる走行・作業姿勢での運用が可能となり、現場での柔軟性と効率性が高まる。実現の背景には、全面的に再設計したレール用下部走行体の取り付け構造とサスペンションシステムがある。
さらに、オシレーティングアクスル(揺動式車軸)が稼働状況に応じて自動的に適応する仕組みも採用した。作業時には車軸を固定して安定性を最大化し、走行時には揺動を可能にして最適な牽引力と走行性を確保する。新開発のレール用アクスルは50キロニュートン(kN)の牽引力を発揮し、各国の認可を条件に最高時速40キロメートルでの走行が可能。緊急時には最高時速60キロメートルでの牽引にも対応する。
より高い吊り上げ能力・耐荷重性能が求められる用途向けには、中央配置式の2点支持アウトリガーをオプション設定できる。安定性を高めながらも設計はコンパクトに抑え、機械周囲の視認性を確保しつつ、狭小な作業現場でも効率的な運用を可能にした。特許出願中のキネマティクス(連動機構)により、アウトリガーを最大に張り出した状態でも機体近くに収まり、全幅の増加を最小限に抑えながら現場での高い汎用性を発揮するという。
■上部旋回体はメンテナンス性を重視した設計
新型「RE 22 M」は先代モデル「A 922 レール」で実証済みの設計を踏襲し、地上からの日常点検・整備がしやすい上部旋回体構造を継承した。カウンターウエイトを複数用意することで、多様な鉄道関連作業に合わせた最適化が可能という。
操作性の面では、上部キャブ部分に専用の運転席を設けたデュアルキャブ方式を新たに採用した。標準仕様として「コンフォートシート」を装備し、一日を通じて高い人間工学的快適性を提供する。
新開発の適応型操作コンセプト「INTUSI」の採用により、従来ステアリングコラム下部に設置していた操作パネルが不要となった。関連機能はすべて「INTUSI」ディスプレイに統合され、キャブ内をすっきりさせるとともに、作業範囲の視界を妨げない設計とした。
■実績ある油圧システムとエンジンで高い作業性能を確保
油圧システム、エンジンともに、リープヘルが培ってきた実績ある品質が新型鉄道用油圧ショベルにも反映されている。新型機に搭載する油圧システムは、独立制御回路を備えたリープヘル製可変容量ダブルポンプを採用し、吐出量は毎分220リットル×2系統。これにより、リープヘル製鉄道用油圧ショベルの走行・作業動作とは独立して、高出力の油圧アタッチメントを操作できる。加えて、第2の高圧回路により、専用アタッチメント上の3つの油圧機能を直接制御することも可能とした。
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