・ナカシマプロペラと共同開発、日本海事協会の製造法承認を取得
豊田自動織機は9月14日、ナカシマプロペラと共同で、廃棄予定の炭素繊維から製造したリサイクル炭素繊維紡績糸を用いた船舶用CFRPプロペラを開発し、日本海事協会から「製造法承認」を取得したと発表した。リサイクル炭素繊維を構造体に適用するのは世界初となる。
今回のプロペラは、リサイクル炭素繊維紡績糸を使った3次元織物を材料としている。3次元織物は経・緯・厚みの3方向に糸を配置した立体構造を持ち、部位ごとに必要な強度や性能を付与しやすいのが特徴だ。豊田自動織機が培ってきた紡績・製織技術と、スイス子会社Uster社の糸品質測定の知見を活用し、使用済みCFRPから回収・再生した綿状の炭素繊維を均一・均質な紡績糸に加工。炭素繊維100%の高品質糸とすることで、新材に近い強度・弾性率を再現しつつ、製造時のCO₂排出量を新材比で約7~8割削減できるという。
開発では東レの協力を得て、同社がプロペラ向けに供給する炭素繊維の製造工程で発生する端材を活用した。完成したCFRPプロペラは高い強度と信頼性を確保しており、日本海事協会による製造法承認は、船舶の安全航行に必要な基準を満たした製造プロセス・部品であることを認証するもの。
CFRPは鉄に比べ軽量で、重量当たりの強度や耐腐食性に優れ、航空機機体・エンジン部品、自動車構造材、風力発電機ブレードなどに広く採用されている。一方で資源循環に向けたリサイクル技術の確立が課題となっていた。豊田自動織機は約100年にわたる紡績技術を基に、さまざまな製造現場から発生する炭素繊維にも適用可能なリサイクル紡績技術を確立。産業横断的な炭素繊維循環システムの構築を目指している。
同社は「パートナー各社との共創を通じて素材・製造技術の強みを社会実装へつなげ、資源循環に配慮したモビリティ・産業の発展に貢献する」としている。今回の成果は、リサイクル炭素繊維の新たな市場創出と、海事分野の脱炭素化・省エネルギー化に向けた重要な一歩となる。
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