技研製作所、タイ・パサック川護岸整備で「インプラント工法」が継続採用

・教育機関敷地内でも無振動・無騒音施工を実現

技研製作所は9月10日、同社が製造販売する杭圧入引抜機「サイレントパイラー」による「インプラント工法」が、タイの主要河川パサック川の護岸整備事業に継続採用されたと発表した。船舶の安定航行確保と輸送効率向上を目的とする同事業は、整備区間約52㎞を対象とする大規模プロジェクト。今回は、現地施工業者Thai Fullmore Co., Ltd.(タイフルモア社)がフェーズ2の一工区で成功を収めた圧入工事に続き、同フェーズの追加工区として実施されている。

現場はアユタヤ造船産業技術大学の敷地内に位置する。従来の振動式杭打ち機を用いる工法では、施工中の振動・騒音が学習・実習環境に大きな影響を及ぼすほか、他工区では進捗遅れから機械台数の増強を余儀なくされ、安全管理・人員管理の負荷増大が課題となっていた。これに対し、サイレントパイラーによるインプラント工法は無振動・無騒音での施工を可能とし、授業や実習を中断することなく護岸整備を進めている。既製杭を地中に押し込み、地盤と一体化した粘り強い構造物を構築する同工法により、水害に対する高い耐久性も確保される。

工事では「サイレントパイラーF301-900」を使用し、長さ15mのハット形鋼矢板(900㎜幅)を527枚、延長230mにわたって圧入する。河床掘削時や船舶航行時の波による川岸崩壊・浸食を防ぐ護岸を構築する内容。圧入工の工期は2026年5月20日から(施工中)。発注者はタイ運輸省海事局、元請はPrayoonchai (1984) Co., Ltd.、施工はThai Fullmore社が担当する。

パサック川はタイ北部から工業集積地アユタヤへ流れる物流上重要な河川。水位低下期の水深不足が貨物船航行の支障となっていたため、2015年から水深確保のための河床掘削と鋼矢板護岸整備が進められている。計画ではチャオプラヤ川合流点から上流約52㎞区間に護岸を構築する。事業は今後も段階的に拡大する見込みで、今回の評価を契機に他工区へのさらなる採用が期待される。

6月にはタイ王立工学会が現場見学会と技術セミナーを開催し、75名の技術者が参加。制約条件下での施工実績が実地で確認され、高い評価を得た。タイの建設市場は2025年時点で約1.4兆バーツ(約6.7兆円)規模とされ、インフラ投資拡大を背景に需要は堅調に推移している。技研グループでは、グループ企業の技研製作所アジア(本社:シンガポール)が現地業者と連携して技術提案を行い、今後はタイ駐在員事務所による市場調査・戦略策定を強化。グループ一丸で市場拡大を進める方針だ。

技研製作所は「圧入原理」を実用化した油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を製造販売し、無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築といった価値を提供。採用実績は40以上の国・地域に広がっている。

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