三一、ブラジルで金融事業と大型トラック事業を本格展開

・現地銀行設立と大型トラック全機種投入、産業×金融の融合を加速

三一(SANY) :2025年12月10日

三一(SANY)はこのほど、ブラジル・サンパウロ(São Paulo)で顧客や販売代理店、パートナーなど200人超が参加する「三一セレブレーション2025(SANY Celebration 2025)」を開催し、同国事業における二つの重要な節目を発表した。ブラジル現地の金融子会社「三一バンコ(SANY Banco)」の正式披露と、大型トラックのフルラインアップ投入である。

今回の発表により、三一集団(SANY Group)は、産業機械事業と金融サービスを並行して展開する新たなフェーズに入った。製品供給から資金調達までを一体で提供する体制を整え、ブラジル市場における事業基盤の強化と顧客へのトータルバリュー提供を図る。

三一ラテンアメリカ(SANY Latin America)の会長である曹徳氏(Cao Te)は、ブラジルの顧客から長年寄せられてきた信頼に謝意を示した上で、「三一バンコの設立により、より柔軟で効率的な金融ソリューションを提供できる。顧客の事業運営能力強化に貢献する」と述べた。また、ブラジル市場において電動大型トラックを投入することを明らかにし、効率性と持続可能な輸送への長期的なコミットメントを強調した。

三一バンコ(SANY Banco)の責任者を務めるダニエル・コインブラ氏(Daniel Coimbra)は、同銀行の正式ローンチを発表するとともに、2023年にプロジェクトを開始して以降の進捗を説明した。三一バンコは今年、ブラジル中央銀行(Central Bank of Brazil)から認可を取得しており、2026年初頭の業務開始を予定している。初期サービスとしては、CDCローンやファイナンス・リースを提供し、三一の建設機械および大型トラックの顧客向けに競争力のある専用金融商品を用意する。

イベントでは、三一ブラジル(SANY Brazil)の大型トラック事業における国際マーケティングディレクターであるディーター・ロマー氏(Dieter Lommer)が、新たな電動大型トラック、ライトトラック、ディーゼル高速道路用トラックのラインアップを披露した。これらの車両はブラジル特有の運用環境を想定して開発され、信頼性、コスト効率、総保有コスト(TCO)の低減を重視している。さらに、三一の太陽光発電、蓄電システム、充電設備と組み合わせることで、エネルギーとモビリティを統合した包括的なソリューションの構築も可能とする。

発表直後には、大手物流企業ジェログ(Gelog)から初受注を獲得した。三一の製品性能と統合ソリューションが市場で評価された形であり、ブラジルにおけるトラック電動化の動きが加速していることを示す象徴的な事例となった。

三一ブラジル(SANY Brazil)は今後も現地投資を拡大し、サービスネットワークの強化を進める。顧客との連携を深めながら、ブラジルの輸送分野および建設機械市場の成長を支えていく方針。

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