米テレックス、25年7〜9月期は増収増益、調整後営業利益率12.1%を達成

・環境ソリューション事業が牽引、通期見通しは維持

テレックス・コーポレーション(Terex Corporation ):2025年10月30日

ノーウォーク(米コネチカット州)発、産業機械大手のテレックス・コーポレーション(Terex Corporation、NYSE: TEX)は10月30日、2025年第3四半期(7〜9月期)の業績を発表した。売上高は14億ドル(前年同期比14.4%増)、調整後営業利益率は12.1%と堅調な業績を維持した。1株当たり利益(EPS)は0.98ドル、調整後EPSは1.50ドルとなった。

同社のサイモン・ミースター(Simon Meester)CEO(最高経営責任者)は「環境ソリューション(Environmental Solutions、ES)事業は期待通りの成長と高い利益率を達成した。資材処理(Materials Processing、MP)事業は一部市場で厳しい状況にもかかわらず期待通りに推移し、高所作業車(Aerials)事業は予想をやや上回る営業利益率を実現した」とコメント。「不安定なマクロ環境、市場の逆風、関税変更にもかかわらず通期見通しを維持できるのは、テレックスのポートフォリオの回復力の高まりと、チームの献身的な取り組みの証だ」と述べた。

■事業別の動向

高所作業車事業(Aerials)は、北米でレンタル会社の設備投資抑制により売上高が5億3,700万ドル(前年同期比13.2%減)となった。調整後営業利益率は9.2%で、前年同期の10.5%から低下した。ただし、税関関連の偶発債務約1,800万ドルの解放という一時的な好影響があった。

資材処理事業(Materials Processing)は、北米コンクリート事業の出荷量減少により売上高が4億1,700万ドル(同6.1%減)。調整後営業利益率は12.4%で、前年同期の13.3%から低下したが、コスト削減施策により影響を緩和した。

環境ソリューション事業(Environmental Solutions)は、ごみ収集車(RCV: Refuse Collection Vehicle)の堅調な納入により、プロフォーマベースで売上高が4億3,500万ドル(同13.6%増)と好調。調整後営業利益率は18.3%に達し、前年同期プロフォーマ比で160ベーシスポイント改善した。

■キャッシュフロー・財務状況

第3四半期のフリーキャッシュフローは1億3,000万ドルで、前年同期の8,800万ドルから大幅に増加。現金転換率は200%に達した。ジェニファー・コン=ピカレロ(Jennifer Kong-Picarello)CFO(最高財務責任者)は「第3四半期に200%の現金転換率を達成し、年初来で100%を維持している。これにより差別化された資本配分戦略を継続でき、株主還元と長期的な有機的成長への投資の両立が可能になった」と評価した。

9月30日時点の流動性(現金および借入枠)は13億ドル。同社は9月末までに、配当と自社株買い(平均取得価格38.74ドルで140万株)を通じて8,700万ドルを株主に還元した。

■通期見通し

受注額は10億ドルとなり、プロフォーマベースで前年同期比57%増加。受注販売比率は72%で、過去の季節パターンと一致している。

同社は8月中旬に発表された232条鉄鋼・アルミニウム関税の適用範囲拡大により、第4四半期に関税関連コストの増加を見込んでいる。通期では関税のEPSへの純悪影響は約0.70ドルになると予想。それでも、関税が現在の水準で維持されると仮定した場合、通期の調整後EPSは4.70ドルから5.10ドルの見通しを維持している。

■テレックス・コーポレーション(Terex Corporation)について

資材処理機械、廃棄物・リサイクルソリューション、高所作業車(MEWP: Mobile Elevating Work Platform)、電力設備機器を製造するグローバル産業機械メーカー。北米、欧州、アジア太平洋地域で製品を製造し、世界中で販売している。電動・ハイブリッド製品など環境配慮型ソリューションも展開。

ニュースリリース
第3四半期レポート