KION、CeMAT上海でフィジカルAIによる次世代倉庫自動化ソリューションを披露

・NVIDIA・アクセンチュアとの協業深化、リアルタイムデータを実稼働性能に変換

キオングループ(KION Group):2025年10月28日

サプライチェーンソリューション大手のキオングループ(KION Group)は、10月28日から31日まで上海で開催される物流機器展示会「セマット(CeMAT)上海2025」において、エヌビディア(NVIDIA)、アクセンチュア(Accenture)との大規模協業の成果として、フィジカルAI技術を活用した先進的な倉庫自動化ソリューションを展示している。

同社のロブ・スミス(Rob Smith)最高経営責任者(CEO)は「シームレスでエンドツーエンドの自動物流フローを実現し、インテリジェント倉庫自動化における当社のリーダーシップを示す」と強調。今回の展示では、AI駆動型産業車両とデジタルツインが、倉庫を「思考し、適応し、リアルタイムで最適化する」システムへと変革する様子を実演する。

■完全統合された入出庫ソリューションを実演

キオン(KION)の傘下ブランドであるリンデ・マテリアルハンドリング(Linde Material Handling)は、トラックへの積み込みを含む完全統合型の入出庫ソリューションを展示。AI搭載の自律走行搬送ロボット(AMR)と手動トラックを組み合わせた構成となっている。注目すべきは、AMRの1台がサードパーティ製であることで、キオン(KION)ソリューションの完全な互換性と、オープンで相互運用可能なシステムへの同社のコミットメントを実証している。これらはフリートマネージャーと倉庫管理システムによって統合制御される。

スミス(Smith)CEOは「フィジカルAIはデータを行動に変換し、人、ロボット、システムを連携させて処理能力を向上させ、アイドルタイムを削減し、確信を持ってレイアウトを計画できるようにする。我々は倉庫を、生きて学習するエコシステムに変えている」と述べた。

■NVIDIA Omniverseでリアルタイムシミュレーション

今回の展示の全体は、エヌビディア・オムニバース(NVIDIA Omniverse)でデジタル表現され、産業車両のリアルタイム位置情報が表示される。車載カメラと定置カメラはエヌビディア(NVIDIA)ハードウェア上で稼働し、ライブの運用データを取得・処理。このシステムは進化し続けるシミュレーション環境で動作し、大規模な車両調整と経路計画の最適化に備える。

デジタルツインは、ライブセンサーとカメラデータによって供給され、顧客は新規倉庫の理想的なレイアウトを定義するために、事前に無限のシナリオを実行できる。これによりリスクを低減し、意思決定を加速させることが可能となる。

キオン(KION)、エヌビディア(NVIDIA)、アクセンチュア(Accenture)の3社協業は、1月の発表以降、ドイツのロジマット(LogiMAT)、米国のジーティーシー(GTC)AIカンファレンスで既に実演されており、フィジカルAIを通じた自動化の設計、テスト、活用方法を再定義している。

■ キオングループ(KION Group)について

キオングループ(KION Group)は産業車両、統合自動化技術、AIベースソリューション、ソフトウェアおよび関連サービスの包括的なポートフォリオを提供するサプライチェーンソリューション企業。MDAX上場企業で、2023年の販売台数ベースでEMEA地域最大の産業車両メーカー、同年の売上高ベースで中国市場における海外メーカー首位、倉庫自動化市場では世界トップサプライヤーの地位を占める。2024年末時点で世界6大陸の顧客が190万台以上のキオン(KION)産業車両を使用。従業員数は4万2,000人超、2024年度売上高は約115億ユーロ。​​​​​​​​​​​​​​​​

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