米キャタピラー(CAT)、25年7〜9月期売上は10%増の176億ドル、全セグメントで販売堅調

キャタピラー(Caterpillar Inc.):2025年10月29日 

米キャタピラー(本社=米テキサス州アービング)は10月29日、2025年7〜9月期(第3四半期)の決算を発表した。売上収益は前年同期比10%増の176億ドル、1株当たり利益は4.88ドル(調整後4.95ドル)となった。需要の底堅さと3事業セグメントにおける効率的な執行が寄与した。

ジョー・クリード(Joe Creed )最高経営責任者(CEO)は「堅調な需要に支えられ、チーム全体の規律ある対応により好調な業績を達成した。受注残も拡大しており、持続的な成長に向けた勢いを確保している」と述べた。

営業利益率は17.3%(前年同期は19.5%)、調整後営業利益率は17.5%(同20.0%)。純利益率は税率24.0%への上昇および特別税負担の影響を受け前年同期比で減少した。フリーキャッシュフローは37億ドル、期末時点の現金残高は75億ドル。配当金および自社株買いに計11億ドルを充当した。

キャタピラー2025年第3四半期データ

■部門別業績

<建設機械部門(Construction Industries)>

当期売上高は67億6,000万ドルで前年同期比7%増(+4億1,500万ドル)。最終需要家向け機械販売の増加とユーロ高など為替の追い風が寄与した。一方で価格要因によるマイナス影響は2億6,200万ドル。

地域別では、北米で販売台数増が寄与したが価格下押し影響を一部受けた。ラテンアメリカは価格下落が響いたが販売数量とブラジル・レアル高で補った。欧州・中東・アフリカ(EAME)は販売増とユーロ高で前年超え。アジア太平洋地域はディーラー在庫の積み増しが要因となり増加した。  

部門利益は13億7,700万ドルで7%減。販売増による増益効果3億1,300万ドルを得たものの、価格要因で2億6,200万ドル、製造コスト上昇(主に関税)で1億7,400万ドルの減益要因があった。

<資源機械部門(Resource Industries)>

売上高は31億1,000万ドルと2%増。最終需要家への販売増で1億3,800万ドルの増収となったが、価格下落の影響6,100万ドルを受けた。部門利益は4億9,900万ドルで19%減。関税負担の拡大による製造コスト上昇が響いた。

<エネルギー・輸送部門(Energy & Transportation)>

売上高は83億9,700万ドルで前年同期比17%増。タービン関連やデータセンター向け大型エンジンの需要がけん引した。石油・ガス、発電、産業用、鉄道輸送サービスなど各分野で販売拡大した。  

部門利益は16億7,800万ドルと17%増。販売増による利益押上げ3億5,700万ドル、価格上昇効果1億3,200万ドルがあったが、関税負担を中心に製造コスト2億8,700万ドル増がマイナス要因となった。

<金融サービス部門(Financial Products)>

売上高は10億7,600万ドル(+4%、前年10億3,400万ドル)。北米を中心に貸付資産残高が増加した。部門利益は2億4,100万ドルと2%減。貸倒引当金増加(+1,500万ドル)や販管費増(+700万ドル)が影響した。  

金融子会社キャット・ファイナンシャル(Cat Financial)の延滞率は1.47%(前年同期1.74%)と改善。貸倒引当金は2億8,300万ドルで、融資残高比0.89%。

■ キャタピラーについて

キャタピラー(Caterpillar Inc.)は、2024年度の売上収益648億ドルを計上した世界最大級の建設・鉱山機械メーカーである。主力の3部門(建設機械、資源機械、エネルギー&輸送)に加え、金融サービス部門を展開。オフロードディーゼルエンジンや産業用ガスタービン、ディーゼル電気式機関車などを製造し、グローバルディーラーネットワークを通じて顧客支援を行っている。

ニュースリリース

第3四半期レポート