技研製作所、オランダで「硬質地盤クリア工法」採用、欧州で圧入技術の展開が加速

技研製作所(高知市)は10月3日、同社の杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」による「硬質地盤クリア工法」が、オランダの河川堤防強化プロジェクトに採用され、圧入工程が完了したと発表した。

このプロジェクトは、オランダ政府が進める国家的治水対策「デルタプログラム」の一環で、フランス、ベルギー、オランダを流れ北海に注ぐ国際河川マース川の堤防を補強するもの。同社工法は同プログラム内の他区間でも採用実績があり、欧州での技術信頼性を一層高めている。

施工は、技研製作所の欧州拠点である技研ヨーロッパ(Giken Europe B.V./オランダ、社長:山本卓也)が、「GTOSS™ EUROPE」会員の施工業者Sterk BV(ステルク社)に対し、技術指導員の派遣や関連機器のレンタルを実施して支援。硬質地盤における擁壁護岸構築を円滑に進めた。

同社によると、オランダではアムステルダム市の世界遺産運河護岸改修プロジェクトを契機に、デンハーグ市の護岸改修やデルタプログラムなどの大型案件にも採用が広がっており、無振動・無騒音、省スペース、高速施工、地盤適応力といった特長が高く評価されている。今回の成果もその信頼を裏づけるものとなった。

また、施工を担ったステルク社はドイツでも事業を展開しており、技研ヨーロッパのベルリン事務所と連携して同国市場での展開を強化する方針。同社は今回の採用を機に、欧州各地での技術提案活動をさらに加速し、気候変動リスクに備えたインフラ強化を通じて地域の安心・安全に貢献していくとしている。

ニュースリリース