・無錫拠点で2026年1月より量産開始、真空技術分野への貢献強化
軸受・ステアリング大手のジェイテクトは10月3日、半導体製造工程に使用されるドライポンプ向けベアリングの中国現地生産を開始する。2026年1月より、グループ現地法人「捷太格特軸承(無錫)有限公司」にて量産を開始し、中国国内のドライポンプメーカーへの供給体制を強化する。
ジェイテクトは、産機・軸受事業で培った高精度加工技術を活かし、半導体産業を戦略市場と位置づけている。今回の現地生産開始により、輸送コストや納期の短縮を図るとともに、価格競争力の向上を実現。中国市場における半導体製造の成長を支える体制を整える。
■セラミックボール採用で信頼性向上
対象製品は、露光・エッチング・薄膜形成・電極形成などの工程で使用されるドライポンプに搭載されるベアリング。真空環境下での使用に耐えるため、セラミックボールを採用し、低騒音・低振動・長寿命を実現。従来は徳島工場およびグループ会社のジェイテクトプレシジョンベアリングで生産されていたが、今後は中国現地での供給を本格化させる。
一般的な半導体生産ラインでは数千台規模のドライポンプが稼働しており、1台あたり約4個のベアリングが使用される。こうした需要に対し、現地供給による迅速な対応と安定供給を目指す。
■グローバル展開と技術融合でソリューション提供
ジェイテクトは「JTEKT Group 2030 Vision」に基づき、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」への変革を推進。既存製品の高付加価値化と新領域への挑戦を両輪とし、軸受技術を核に自動車、建設機械、鉄鋼、工作機械、半導体などの基幹産業に貢献する。
今後もグローバルな製造・供給ネットワークの強化を通じて、真空技術分野における信頼性の高い製品提供を継続。ジェイテクトは、産業界の多様なニーズに応えるソリューションを創出し続ける構えだ。
コメントを投稿するにはログインしてください。