三菱重工、西武鉄道から山口線向け新型車両3編成(12両)を受注

・山口線の新型は40年ぶり、輸送力強化や利便性向上に貢献

・西武鉄道からの新交通システム車両受注は初めて、2025年度以降2027年度にかけて順次納入

・「ベルーナドーム」や「西武園ゆうえんち」など非日常の場へ向かう乗客を盛り上げるデザイン

 三菱重工業は1月22日、西武鉄道(埼玉県所沢市)から、西武鉄道山口線向けの新交通システム車両3編成(12両)を受注したと発表した。西武鉄道から新交通システム車両を受注するのは初めて。山口線では、40年ぶりの新型車両として、さらなる輸送力強化や利便性向上に貢献する。

 西武鉄道山口線は、東京都東村山市の多摩湖駅から埼玉県所沢市の西武球場前駅までの3駅間をつなぐ路線で、沿線には「ベルーナドーム」や「西武園ゆうえんち」といった西武グループの大規模なレジャー施設がある。新型車両は、同路線で運行中の既存車両8500系の更新向けに製作するもの。2025年度以降2027年度にかけて、順次納入していく。新型車両では、座席を8500系のクロスシートからロングシートに変更することにより、ベルーナドームや西武園ゆうえんちへの輸送力強化を実現する。さらに、車いすスペースや子供用座席、車内案内表示器の設置により、多様な乗客のニーズに対応し、利便性の向上をはかる。

 第1編成(注)は、ベルーナドームを本拠地とする埼玉西武ライオンズをイメージしたデザインとし、内装もライオンズをイメージした配色となる。先頭車両の車体側面にはライオンズの公式マスコットであるレオのマークを大きく配置し、応援のためにベルーナドームへ向かう乗客の気持ちを盛り上げることが期待できる。
 この新交通システムは、ゴムタイヤ方式を採用しているため走行が滑らかかつ低騒音であるのが特長。さらに、車両は内燃機関による駆動ではなく電力駆動(モーター)であるため、CO2の排出が少ないクリーンモビリティとして、脱炭素・省エネルギー社会に向けた環境負荷低減を実現する。このような優れたデザイン性や環境性能を兼ね備えた車両の納入により、周辺施設のイメージアップにも寄与していく。

 三菱重工グループは、今後も世界各国のサービス拠点と連携し、顧客ニーズに応える付加価値の高いサービスを提供していく。いまた、CO2の排出が少ないクリーンな輸送手段である新交通システムの納入を通じ、世界各地の経済発展、交通利便性向上といった地域課題への対応と解決策の提供を目指すとともに、カーボンニュートラル社会の実現にも貢献していく。

 第2編成、第3編成のデザインは現状未定。

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