・120℃対応を実現、将来的に150℃まで視野
ダンフォス(Danfoss):2025年12月19日
ダンフォスは、産業分野で高まる脱炭素ニーズを背景に、高温対応の産業用ヒートポンプ技術の拡充を進めている。現在は120℃(248°F)対応の技術を提供しており、今後は150℃(302°F)への対応も視野に入れる。
産業用ヒートポンプは、食品・飲料、パルプ・紙、化学、繊維といった分野で不可欠な乾燥、殺菌、煮沸などの高温工程を電化する手段として注目されている。また、高い供給温度が求められる地域熱供給(ディストリクトヒーティング)においても、信頼性と効率性を両立する脱炭素技術として重要性が増している。従来、ヒートポンプの供給温度は90~100℃が上限とされてきたが、同社は新たな技術開発により、その限界を大きく引き上げている。
ダンフォス・クライメート・ソリューションズ(Danfoss Climate Solutions)の産業用ヒートポンプマネージャー、イワン・ランゲロフ(Ivan Rangelov)氏は
「当社は製品ポートフォリオ、特にコンプレッサー分野への投資を強化してきた。100kWから3MWまでの産業用ヒートポンプに対応し、HFOなどの低GWP冷媒から、CO₂や炭化水素といった自然冷媒まで幅広くカバーしている。これらのソリューションはすでに実用段階にあり、OEM各社が将来対応型の堅牢なプロセスシステムを構築できるよう支援する」と述べている。
同社は、化石燃料設備を使い続けることが短期的には安全策に見える一方で、すでに実用化されている革新的技術を逃すリスクがあると指摘する。ダンフォスは、単なる部品供給にとどまらず、アプリケーション開発センターでの試験設備や、A3Sプログラムなどの高度なシミュレーションサービスを通じ、構想段階から開発パートナーとしてOEMを支援する体制を整えている。
ダンフォス・コマーシャル・コンプレッサーズ(Danfoss Commercial Compressors)の事業部長、ファビオ・クライン(Fabio Klein)氏は
「産業用ヒートポンプは、次の大きな産業脱炭素の波を生み出すと確信している。当社は、この急成長市場をリードするため、技術だけでなく、知見とツールへの戦略投資を進めている」と強調する。
■システム設計を一貫支援
ダンフォスは、OEMが産業プロセスや地域熱供給向けにボイラーの代替となるシステムを迅速に市場投入できるよう、以下の支援を提供している。
• 低GWP冷媒および自然冷媒に対応した、スクロール、半密閉レシプロ、スクリュー、オイルフリー遠心まで網羅する産業用ヒートポンプ向けコンプレッサー群
• 高温対応電動膨張弁を含む幅広いラインコンポーネントと制御機器、信頼性と効率を高めるオイルフリー製品群
• プログラマブルHVAC制御プラットフォームアルスマート(Alsmart®)。高性能ハードウエアと高度なプログラミング・監視機能を組み合わせ、システムの中枢として機能
• 高効率で供給体制も整った産業用ヒートポンプ製品群により、高温要求に対応する競争力ある選択肢を提供
ダンフォスは、産業用ヒートポンプの高温化と実用性向上を通じ、産業プロセスの電化と脱炭素化を加速させる構えだ。
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