日立産機、生成AI活用の設備保全支援サービス開始

・対話形式で即座に回答、ダウンタイム削減へ

日立産機システム(東京都千代田区、日立製作所コネクティブインダストリーズセクター所属)は12月18日、生成AIエージェントを活用した産業機器の運用・メンテナンス支援デジタルサービス「HMAX Industry」の社外提供を開始した。同社のデジタル戦略「Lumada 3.0」を具現化したサービスで、特約店や販売店、エンドユーザーがタブレット端末などから対話形式で機器トラブルへの対処法を即座に確認できる。

同サービスは、同社の設備監視サービス「FitLive」で収集するリアルタイム稼働データ、取扱説明書、サービスエンジニアが培ったドメインナレッジを統合したデータベースをAIエージェントが参照し、利用者の質問に応じた的確な情報を提供する仕組み。対応機器は空気圧縮機、給水ポンプ、産業用インクジェットプリンターで、いずれもFitLiveに接続されている必要がある。

例えば機器が警報を発した際、従来は担当者がマニュアルを参照して対策を調査する必要があったが、本サービスでは問いかけるだけでAIが警報の具体的な対処法を即座に提示。適切なメンテナンスを促し、ダウンタイムの軽減につなげる。

生産現場では少子高齢化による人手不足と、熟練者から若手への技術承継の遅れが深刻化しており、業務効率化は喫緊の課題。予期せぬ機器不調は生産計画に大きく影響するため、専門知識を持つサービスエンジニアの対応を待つ間の生産停止が問題となっていた。

日立のCIセクターは、豊富なインストールベースのデータにドメインナレッジと先進AIを組み合わせたデジタルサービスを成長産業へ水平展開する「Integrated Industry Automation」を推進中。日立産機は同戦略の一翼を担い、フロントラインワーカーの現場革新を加速させる。

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