・無人ヘリとロボで省人化実現へ
川崎重工業とデンマークのBladeRobots A/Sは12月15日、風力発電ブレードの前縁補修分野で戦略的パートナーシップを締結したと発表した。川崎重工の無人ヘリコプター「K-RACER」とBladeRobotsの補修ロボットを組み合わせた自動化ソリューションを開発し、高所作業の省人化と安全性向上を実現する。

世界の風力発電設備容量は累計1テラワットを超え、メンテナンス需要が急拡大している。現状、ブレード前縁の補修は専門技術者が高所で手作業により行うのが主流だが、安全性や作業効率、人材確保の面で課題を抱えている。
新ソリューションでは、K-RACERがロボットをブレード上まで輸送し、ロボットが自動で補修作業を実施する。これにより現場作業の省人化、安全性向上、品質の一貫性確保が可能となる。
両社はVestas Wind Systems A/Sの支援を受け、デンマーク国内の風力発電所で実証試験を実施済み。強風環境下でK-RACERによるロボットの吊り上げ、ブレード前縁への設置、回収までの一連のプロセスを自動飛行と遠隔操作で行い、技術的成立性を確認した。
川崎重工はヘリコプター開発ノウハウとモーターサイクルで培った小型ハイパワーエンジンを組み合わせてK-RACERを開発。一方、BladeRobotsはVestasからスピンアウトした企業で、ブレード前縁補修自動化のロボティクスソリューションを手がける。
両社は今後、本パートナーシップを通じて社会実装と事業化に向けた取り組みを加速する方針。
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