ボッシュ・レックスロス、経営陣を刷新、2026年3月にヨッヘン・ピーター氏がCEO就任

ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2025年12月11日

ボッシュ・レックスロスは、2026年3月1日付でヨッヘン・ピーター(Jochen Peter)氏が最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。現CEOのシュテッフェン・ハーク(Steffen Haack)氏は退任後も経営委員会(Management Board)に残り、エンジニアリング分野と新たな戦略成長領域の開拓に専念する。

■ 新CEOにピーター氏、ハーク氏はエンジニアリング部門に注力

ピーター氏(50、画素左)は2026年1月1日付でボッシュ・レックスロスの経営委員会に加わり、引き継ぎ期間を経て3月にCEOに就任する。同氏はハーク氏(59、画像右)の後任となる。

ロベルト・ボッシュ(Robert Bosch)社の取締役で、ボッシュ・レックスロス監査役会議長を務めるタンヤ・リュッカート(Tanja Rückert)氏は次のようにコメントした。

「ハーク氏は、近年のボッシュ・レックスロス発展に大きく貢献し、経営委員会の一員として世代交代を主導してきました。厳しい市場環境の中でも組織の安定を確保し、同社の発展を推し進めた功績は非常に大きい」。

■ ピーター氏の経歴:BMW、BCG、ツァイスで要職歴任

ピーター氏はカイザースラウテルン工科大学で機械・プロセス工学を、ハーゲン大学で産業工学を専攻。
2000年にBMWへ開発エンジニアとして入社し、フラウンホーファー研究機構(Fraunhofer Institute)で博士号を取得。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)にて米国を含むプロジェクトに従事した。

2011年にはツァイス・グループ(Zeiss Group)へ移り、2017年からカール・ツァイス(Carl Zeiss AG)の経営委員会メンバーとしてインダストリアルクオリティ&リサーチ(Industrial Quality and Research)部門を統括。2025年9月まで同職を務めた。

リュッカート氏は「ピーター氏は困難な事業環境でも新しい市場を切り拓き、ソフトウェアビジネスを伸ばし、企業変革を推進してきた実績がある」と評価している。

■ 会社概要:ボッシュ・レックスロス

ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)は、駆動・制御技術分野における世界有数のサプライヤーとして、あらゆる規模の機械やシステムにおいて高効率・高出力・高い安全性を備えた動作を実現している。

事業領域は、モバイルアプリケーションおよび産業用途、ファクトリーオートメーションを中心とし、グローバルで培った豊富なアプリケーションノウハウを結集。油圧機器、電動ドライブおよび制御技術、ギア技術、リニアモーションおよび組立技術に加え、ソフトウエアやIoT(Internet of Things)向けインターフェースまで幅広い製品・ソリューションを提供している。

また、インテリジェントコンポーネント、顧客ごとのカスタマイズシステム、エンジニアリング、サービスを組み合わせ、完全にコネクテッド化された次世代アプリケーションの実現を支援する。

2024年は、世界80カ国以上に拠点を展開し、従業員数は約3万2,600人。売上高は65億ユーロを計上した。

■ 親会社概要:ボッシュ・グループ

ボッシュ・グループ(Bosch Group)は、技術・サービス分野における世界的なリーディングサプライヤー。2024年12月31日時点の従業員数は約41万8,000人、2024年の売上高は903億ユーロに達した。

事業は、モビリティ(Mobility)、産業技術(Industrial Technology)、消費財(Consumer Goods)、エネルギー・建築技術(Energy and Building Technology)の4分野で構成。オートメーション、電動化、デジタル化、コネクティビティ、持続可能性といった世界的潮流に対し、技術を通じた価値創出を目指している。

センサー技術、ソフトウエア、サービスの強みを生かし、分野横断型のソリューションをワンストップで提供する点が特徴。近年はコネクティビティや人工知能(AI)の活用にも注力し、使いやすく持続可能な製品開発・製造を進めている。

「インベンテッド・フォー・ライフ(Invented for life)」の理念のもと、生活の質の向上と天然資源の保全への貢献を掲げる。

ニュースリリース