安川電機は12月1日、ソフトバンクとフィジカルAI領域における協業を開始したと発表した。両社は覚書(MOU)を締結し、AIロボティクスとAI-RAN(無線通信×AI)を融合した新たな自動化ソリューションの社会実装を進める。第1弾として、共同開発したオフィス向けフィジカルAIロボットのユースケースを、12月3日から開催される国際ロボット展(iREX2025)で公開する。
■人手不足と多様化する自動化ニーズに対応
国内では少子高齢化を背景に、製造業のみならず医療・教育・建築・小売など、ロボット導入領域が急速に拡大している。一方で、病院・駅・学校・商業施設など「人とロボットが共存する空間」での自動化は、環境変動・割込み作業・安全確保などの課題が残っていた。
今回の協業は、こうした未自動化領域を日本発技術で開拓し、AIロボットによる社会実装を加速するものとなる。
■安川電機のAIロボティクス × ソフトバンクのAI-RAN/MEC
安川電機はモーション制御や産業用ロボットで蓄積した制御技術を活かし、自律型ロボット「MOTOMAN NEXT」を開発。ロボット自身が判断し、作業自律性を高める技術基盤を持つ。
一方、ソフトバンクはAI-RANやMEC(Multi-access Edge Computing)技術により、センサー情報や映像解析を低遅延で処理し、ロボットへリアルタイム指示を送る能力を持つ。
両技術の融合により、ロボットと外部通信が連携し、単体性能に依存しない「外部視点による高度行動制御」を実現する。
■12月のiREXで新ソリューションを初公開
安川電機とソフトバンクは、「人とロボットが同じ空間で安全に協調する社会」の実現に向け、共同開発および実運用フェーズを順次展開していく方針だ。両社は今後、社会インフラ・サービスロボット・物流領域などへの応用も視野に、協業範囲を拡大するとみられる。
■国際ロボット展(iREX2025)展示情報
会期:12月3日(水)~6日(土)
会場:東京ビッグサイト 西1ホール
ブース番号:W1-01