タムラ製作所、メキシコ工場で大型トランス・リアクタの生産能力を拡大

・北米データセンター需要に対応へ

タムラ製作所(東京都練馬区)は10月30日、メキシコの連結子会社 Tamura Power Technologies de Mexico SA. de C.V.(以下、メキシコ工場)において、大型トランス・リアクタの追加設備投資を行い、生産能力をさらに拡大することを決定したと発表した。2023・2024年度にかけて進めてきた生産増強に続くもので、2027年度の売上を2023年度比で3倍とする計画。

大型トランス・リアクタは、風力・太陽光発電用のパワーコンディショナー、直流給電システム、UPS(無停電電源装置)、PDU(電源分配ユニット)などの電源機器に広く採用されている。近年は、生成AIの普及を背景にデータセンターの建設が加速しており、特に北米市場でPDUやUPS向けの需要が急増している。

タムラ製作所では、欧州を起点に世界8拠点で大型トランス・リアクタの供給体制を構築しているが、北米需要の急伸を受け、メキシコ工場の生産強化を段階的に推進。2023年度に既存ラインを増強し、2024年度には近隣に第2工場を新設した。今回、第2工場に新たな生産設備を導入することで、供給能力を一段と高めるとともに、さらなる拡張も検討していくとしている。

同社の第14次中期経営計画「One TAMURA for Next 100」では、クリーンエネルギー関連市場を注力領域に掲げ、電力インフラ、ヘビーインダストリー、次世代通信、モビリティ分野での事業拡大を図っている。特にデータセンター市場では、大型トランス・リアクタのほか、UPS用の電流センサーやゲートドライバモジュール、HVAC(冷却機器)用リアクタ、さらにサーバーやスイッチボード向け電子化学材料など、多様な製品を展開。トータルソリューションで顧客価値の最大化を目指す。

タムラ製作所は1924年創業で、2024年に100周年を迎えた。現在はトランス・リアクタをはじめ、電子化学材料、自動はんだ付装置、放送局用音声調整卓などを手がける電子機器メーカーとして、東証プライム市場に上場している(証券コード:6768)。

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