栗田工業の孫会社、レディメイド型超純水製造設備「e-WT」受注開始

・Fracta Leap子会社がInQuuater設立、EPC工期30%短縮で電子産業の需給ギャップに対応

栗田工業の100%子会社Fracta Leap(東京都新宿区)は10月30日、レディメイド型超純水製造設備「e-WT(イー・ダブリューティー)」の開発・販売を手がける新会社InQuuater株式会社(インクウォーター)を設立し、受注を開始したと発表した。同設備は「つなぐだけで超純水」をコンセプトに、即日見積対応と従来比30%のEPC工期短縮を実現する。

■急拡大する半導体市場、供給体制に課題

電子産業では半導体を中心に10年で2倍規模の市場拡大が続き、グローバルで活発な設備投資が進む。産業用水処理分野でも電子産業が最大のシェアを占めるが、エンジニアリング・建設・運転管理の要員不足により供給体制の懸念が高まっており、需給ギャップが課題となっている。

■設計自動化からレディメイド型へ発展

栗田工業とFracta Leapは2020年から「メタ・アクアプロジェクト」を共同推進し、水処理技術とAI技術を融合したデジタルソリューション開発に取り組んできた。Fracta Leapが主導する設計自動化アプリケーション開発を進める中で、設計工程そのものを不要とするレディメイド型設備の可能性に着目。5月にシンガポールで開催された「SEMICON SEA 2025」で「e-WT」を先行展示していた。

プレファブ式で多様な水質に対応
「e-WT」は工業用水や地下水など様々な水質から超純水を製造する設備一式を、設計不要なプレファブ式ユニットで提供する。栗田工業の最先端技術を実装し、クラウド接続により遠隔でのランニングコスト低減提案や運転管理支援、メンテナンス提案などのサービスも展開する。

両社は今後も同プロジェクトを通じ、設計期間短縮や省力化に加え、ライフサイクルコストの最適化、環境負荷低減を含むライフタイムバリュー向上など、デジタル技術による社会課題解決を推進する方針だ。

詳細はInQuuaterウェブサイト(https://inquuater.com/)で確認できる。
【用語解説】
▽EPC=設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)の頭文字。プラント建設における一連の工程を指す​​​​​​​​​​​​​​​​

ニュースリリース

https://www.kurita-water.com/news/20251030-01/