メッツォ、鉱物処理分野向けに新たなライフサイクルサービス(LCS)モデルを導入

・成果重視型パートナーシップを強化、南米などで新サービス展開

メッツォ(Metso):2025年10月28日

フィンランドのメッツォ(Metso)は10月28日、鉱物処理業界におけるサービスパートナーとしての地位をさらに強化するため、新たなライフサイクルサービス(LCS:Life Cycle Services)フレームワークを発表した。成果連動型のビジネスモデルと顧客ごとの支援ニーズに応える柔軟な仕組みを融合した、画期的なアプローチとして位置付けている。

新しいLCSモデルは、部品供給から設備のライフサイクル管理、定期停止時の保守、さらにはプラント全体の運転支援まで、顧客の要求範囲に応じて段階的に提供するもの。メッツォ インテグレーテッドサービスソリューション部門の上級副社長ミイカ・ティルッコネン(Miika Tirkkonen)氏は「顧客は効率と収益性の向上を常に追求しており、そのニーズは多様です。メッツォは各社の要件に応じて長期的・継続的な改善を支援します」と述べている。

今回のLCSでは、市場特性に合わせた具体的なソリューションも導入されている。
• LCS for Crushing as a Service(破砕サービス型LCS):
 南米で先行展開しているモデルで、顧客が設備投資を行わずに破砕工程の運用を委託できる。初日から高い性能と予測可能なコスト、迅速な立ち上げを実現する。
• LCS for Pumps availability(ポンプ稼働率向上LCS):
 世界中で利用可能なソリューションで、ポンプ設備の稼働率と部品供給を最適化し、設備投資の削減と信頼性向上、TCO(総保有コスト)の低減を支援する。

ティルッコネン(Tirkkonen)氏は「LCSは単なるサービス契約ではなく、リスク共有型の成果連動モデルです。顧客はメッツォの専門知識を活用して自社の能力を強化でき、運用リスクを抑えながら長期的な成長に注力できます」と説明。「双方の長期的な目標に基づく協働は、計画性と安定性を高める“ウィンウィン”の関係を築く」と強調した。

新しいLCSモデルは、部品・設備・プロセス単位の範囲に対応し、安定・最適化・成長の3段階のパートナーシップレベルを設定。メッツォは15年以上にわたりLCSを展開しており、現在世界で550件以上の契約を有する。

今回の新LCSフレームワークとソリューションは、10月28~30日にブラジル・ベロオリゾンテで開催されるラテンアメリカ最大の鉱業イベント「Exposibram 2025(ブラジル鉱業博・会議)」で初公開される。今後は他地域の主要イベントでも紹介を進め、顧客価値を可視化できるサービスとして展開を拡大する方針だ。

メッツォは骨材、鉱物処理、金属精錬分野における持続可能な技術と統合ソリューションのリーディングカンパニーであり、エネルギー・水資源効率の向上、生産性向上、環境リスク低減を支援している。本社はフィンランド・エスポーにあり、2024年末時点で約50カ国に約1万7,000人を擁し、2024年の売上高は約49億ユーロ。ナスダック・ヘルシンキに上場している。

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