日立建機、25年度上期売上収益は1.8%減の6,541億円、減収減益も純利益は増加

・円高影響も欧州・アジアで堅調、通期予想を上方修正

日立建機が10月28日に発表した2026年3月期第2四半期(25年度上期、2025年4〜9月)の連結決算は、売上収益が前年同期比1.8%減の6,540億5,100万円、調整後営業利益が同15.7%減の601億4,800万円、税引前中間利益が同11.9%増の609億5,900万円、親会社株主に帰属する中間利益が同18.9%増の377億5,000万円となった。1株当たり中間利益は177.46円(前年同期149.26円)。

日立建機2026年3月期第2四半期データ

■円高が重荷も収益性は回復基調

売上収益は、米州OEM事業やオセアニアで販売が減少したものの、欧州やアジア、北米独自展開事業が堅調に推移した。為替影響を除けば増収となった。

利益面では、物量増加や原価低減、販売価格引き上げが利益を支えたが、円高影響や地域・製品構成差の悪化が下押し要因となり、調整後営業利益は減益となった。ただし、第1四半期比では業績は回復基調にある。親会社株主に帰属する中間利益は、一過性のその他営業収入や金融収支の改善により増益を確保した。

セグメント別では明暗分かれる
建設機械ビジネスは、売上収益が前年同期比2.9%減の5,884億6,200万円、調整後営業利益が同15.2%減の545億3,100万円と減収減益。欧州やアジア、北米独自展開事業が堅調だったが、円高影響と地域・製品構成差の悪化が響いた。

スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスは、売上収益が同8.8%増の701億2,700万円と増収。2024年12月に買収した米国ブレーキ・サプライ(Brake Supply)社の取り込み効果があった。一方、調整後営業利益は同19.8%減の56億1,700万円と減益。円高影響に加え、一部主要顧客の投資抑制や競争環境激化が影響した。

■地域別では欧州が大幅増収

地域別売上収益では、欧州が前年同期比18.4%増の923億5,600万円と大きく伸長。一方、オセアニアは同13.7%減の1,218億900万円、米州は同6.0%減の1,600億3,400万円と減収となった。アジアは同9.6%増の587億8,400万円と堅調だった。

■通期予想を上方修正、配当は据え置き

同社は2026年3月期通期の連結業績予想を上方修正した。売上収益を1兆3,200億円(前回予想比200億円増)、調整後営業利益を1,320億円(同20億円増)、税引前当期利益を1,210億円(同20億円増)、親会社株主に帰属する当期利益を740億円(同10億円増)と、それぞれ引き上げた。1株当たり当期利益は347.86円を見込む。

修正理由について、同社は「第2四半期の業績が回復基調にあることを踏まえた」と説明。一方で、需要環境の不透明感は継続しており、油圧ショベルの年間需要見通しは前回から変更せず、慎重な見方を維持するとしている。

年間配当は1株当たり175円(中間期75円、期末100円)の計画を維持する。前期と同水準で、安定的なキャッシュ創出が続いている状況を反映した。

前提為替レートは第3四半期以降、米ドル142円、ユーロ166円、人民元19.9円、豪ドル94円としている。​​​​​​​​​​​​​​​​

日立建機の2026年3月期第2四半期決算短信

第2四半期決算説明資料