・現地企業と共同で第1工区に続く大型インフラ案件
2025年10月28日、インドネシア共和国ジャカルタ特別州における下水道整備事業で、日・インドネシア共同企業体が新たな処理場建設工事を受注した。大林組、JFEエンジニアリング、PT. WIJAYA KARYA(Persero), Tbk.、PT. JAYA KONSTRUKSI MANGGALA PRATAMA, Tbk.の4社によるJVが、インドネシア公共事業省より「ジャカルタ下水整備計画(第6工区)下水処理場建設工事」を獲得。2023年に受注した第1工区に続くプロジェクトとなる。
■都市環境改善を担う国家プロジェクト
ジャカルタ特別州は人口1,000万人を超えるメガシティでありながら、下水道普及率は約12%にとどまる。河川や地下水の汚染が深刻化する中、同州は「ジャカルタ汚水管理マスタープラン」に基づき、15の処理区に分けた段階的整備を進めている。
今回の第6工区は、商業施設が集積する高密度地域を対象とし、処理水量は47,500m³/日(第1フェーズ)。計画人口は30.1万人(第6区全体では146.5万人)を見込む。
■高度処理技術と日本式施工法を導入
処理プロセスには、微生物を高濃度に保持できるIFAS(Integrated Fixed Film Activated Sludge)を採用。標準法と同等の反応時間で窒素除去が可能な高効率処理を実現する。
施工法には、第1工区でも採用されたニューマチック無人化ケーソン工法を継続導入。自重沈下による函体設置により、都市部での安全かつ効率的な施工を可能にする。
土木工事は大林組とWIJAYA KARYAが、機電工事はJFEエンジニアリングとJAYA KONSTRUKSIが担当。日本のインフラ技術と現地企業の施工力を融合し、質の高い都市インフラの構築を目指す。
<受注概要>
項目/内容
発注者:インドネシア共和国公共事業省
工事名称:ジャカルタ下水整備計画(第6工区)下水処理場建設工事
施工場所:ジャカルタ特別州 ドゥリ・コサンビ地内
工事監理:オリエンタルコンサルタンツグローバル、日本工営、PT. Virama KaryaほかJV
請負者:大林組、WIJAYA KARYA、JFEエンジニアリング、JAYA KONSTRUKSI JV
受注金額:約160億円
工期 2026年2月~2029年6月(予定)
■今後の展望
大林組およびJFEエンジニアリングは、アジア各国における下水道普及率向上と生活環境改善に向け、今後も日本の技術を活用したインフラ整備に注力していく方針だ。ジャカルタにおける継続的なプロジェクト参画は、同地域の持続可能な都市開発における重要な一歩となる。
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