千代田化工建設は10月28日、太陽石油(東京都千代田区)から沖縄事業所におけるSAF(持続可能な航空燃料)製造設備のFEED(Front End Engineering Design:基本設計)業務を受注したと発表した。
太陽石油は、政府が掲げる2030年度以降のSAF供給目標「2019年度に日本国内で生産・供給されたジェット燃料のGHG排出量の5%相当以上」の達成に貢献するため、沖縄事業所構内に年間20万KL規模のSAFおよびリニューアブルディーゼル(RD)を製造・供給する体制の構築を進めている。原料のエタノールからSAFを生成する「Ethanol to Jet(ETJ)」技術を採用しており、本計画は経済産業省の「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金(SAF製造・供給体制構築支援事業)」にも採択されている。
千代田化工建設は、70年以上にわたり石油・化学プラント分野で培った設計・施工技術を活かし、本FEED業務を通じてSAF製造設備の確実な実装を支援する。航空燃料の脱炭素化に寄与し、エネルギーと環境の調和を目指す取り組みの一環となる。
同社は総合エンジニアリング企業として、SAF関連技術を含むカーボンニュートラル分野での事業拡大を推進。「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」というパーパスのもと、顧客との協働を通じて持続可能な社会の発展に貢献していく方針を示している。
【用語解説】
・SAF(Sustainable Aviation Fuel):植物油や廃食油、バイオエタノールなどを原料とする持続可能な航空燃料。
・ETJ(Ethanol to Jet)技術:エタノールを原料にSAFを製造するプロセスで、国際規格「ASTM D7566 Annex 5」に準拠。