三一重工、香港証取に上場、グローバル展開を加速―上海との「A+H」両市場上場を達成

三一 (SANY):10月28日

中国の建設機械大手・三一集団(SANY Group)の中核企業である三一重工(Heavy Industry、コード:6031.HK)は10月28日、香港証券取引所メインボードに上場した。2003年の上海証券取引所(コード:600031.SH)上場に続くもので、「A+H」両市場上場を果たし、同社のグローバル展開における新たな節目となった。

今回の香港上場では、グローバルで約6億3,200万株のH株を発行(15%のオーバーアロットメント・オプションを含む)。発行価格は1株当たり21.30香港ドルで、テマセク(Temasek)、ブラックロック(BlackRock)、ハイロース(Hillhouse)、UBSアセット・マネジメント、LMR、オークツリー・キャピタル(Oaktree Capital)など21のコーナーストーン投資家が総額7億5,900万米ドルを引き受けた。資本市場からの高い信頼を示す結果となった。

香港証取で行われた上場セレモニーには、政府関係者、金融機関、取引先、三一集団および三一重工の経営陣が出席。三一集団輪番会長兼三一重工董事長の向文波(Xiang Wenbo)氏と、三一集団董事兼三一重工総裁の于洪福(Yu Hongfu)氏が共に上場の鐘を鳴らした。

向氏は式典で「今回の上場は、当社の高品質な発展に対する資本市場の強い信頼の表れであり、国際的な資金調達チャネルを拡大する歴史的な機会である。香港が持つ“グローバル資本のスーパーコネクター”としての地位を活かし、グローバル化・デジタル化・脱炭素化の3つの戦略のもと、持続可能な価値創出とより環境に優しい世界への貢献を続けていく」と述べた。

■世界3位の建機メーカー、海外売上は年平均15%超の成長

調査会社フロスト&サリバン(Frost & Sullivan)によると、2020~2024年の主要建設機械の累計売上高ベースで、三一重工は世界3位、中国国内では首位に位置する。同期間の海外売上高は年平均15.2%増と、業界内でも屈指の国際展開を進めている。

同社は「デジタル化」戦略を推進し、建設機械業界で唯一、世界経済フォーラム(WEF)の「ライトハウス・ファクトリー」認定を2拠点で取得するなど、スマート製造の先頭を走る。また「脱炭素化」への取り組みも加速しており、2024年には新エネルギー建機40機種以上を投入、売上は5億6,700万米ドルを超えた。

三一重工の香港上場は、同社のグローバル戦略における新たな幕開けを意味する。今後は香港の国際金融ハブとしての機能を活用し、世界の資本市場との連携を一層深めながら、グローバル建機メーカーとしての存在感をさらに高めていく方針だ。

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