メッツォ(Metso):2025年10月27日
フィンランドのメッツォ(Metso)は10月27日、インド国営鉄鋼大手スチール・オーソリティ・オブ・インディア(SAIL)のイISCO製鉄所(ISP、所在地:西ベンガル州アサンソル)に新たな鉄鉱石焼結プラントを納入する受注を発表した。今回の案件は、同社が同製鉄所に納入する3基目の焼結設備となる。受注金額は約3,200万ユーロで、2025年第3四半期に鉄鋼部門の取引として計上された(同部門は現在売却手続き中)。
新プラントは年間267万トンの生産能力を有し、SAIL・IISCO製鉄所が進める粗鋼年産400万トン体制への拡張プロジェクトの一環として建設される。メッツォは本案件で、設計・機器供給・据付および試運転の監督までを一括で担当する。
設備には、メッツォの最新技術である「排出最適化型焼結(EOS:Emission Optimised Sintering)」が採用され、固体燃料の消費削減に加え、年間5万4,000トン超のCO₂排出削減が見込まれている。プラントは2029年の稼働開始を予定しており、インド国内における省エネ・低炭素製鉄への転換を支える重要な施設となる。
SAILのバーンプルおよびドゥルガプル製鉄所を統括するスラジット・ミシュラ(Surajit Mishra)取締役は、「今回のプロジェクトは、低炭素製鉄へ向けた重要な一歩であり、メッツォと共に持続可能な鉄鋼生産を推進していく」とコメントしている。
また、メッツォの鉄鋼・熱移動事業ライン副社長アタウル・アーマド(Attaul Ahmad)氏は「SAILの象徴的な拡張プロジェクトに参画できることを光栄に思う。EOS技術を通じて、エネルギー効率と環境性能の両立に貢献したい」と述べた。
メッツォとSAILは長年にわたり、トラベリンググレート式焼結設備分野で協力関係を築いており、これまでに同社はSAIL向けに4基の焼結プラントを納入している。メッツォの焼結技術は、均一なペレット品質を確保しつつ、投資・運転コストの低減、エネルギー効率の向上、排出削減を実現するのが特長である。
【メッツォ(Metso)概要】
メッツォは、骨材・鉱物処理・金属精錬分野における持続可能技術と統合ソリューションを提供する世界的リーディングカンパニー。製品とサービスを通じて、顧客のエネルギー・水利用効率を高め、生産性向上と環境リスク低減を支援している。本社はフィンランド・エスポーに所在し、2024年末時点で約50カ国に1万7,000人の従業員を擁する。2024年の売上高は約49億ユーロ。株式はナスダック・ヘルシンキに上場している。
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