エプソン販売、スカラロボット3シリーズを新発売、軽量~重量物対応で自動化を加速

・製造現場の多様な自動化ニーズに応える新ラインアップと定額保守サービスを開始

エプソン販売は10月28日、産業用ロボットの新製品としてスカラ(水平多関節)ロボット『LA3/6-A』『LS50-C』『RS4/6-C』の3シリーズの受注を開始したと発表した。同時に、定額保守サービスも新たに導入し、導入後の運用・保全面からも自動化の推進を支援する。

国内製造業では人手不足や熟練作業者の減少に加え、品質・柔軟性への要求が高まっており、ロボットによる省人化・高精度化のニーズが拡大している。一方、中小企業では導入コストや保守人員の確保が課題となっている。エプソンは自社の小型・軽量・高精度技術を活かし、省スペースで設置できるロボットソリューションを展開しており、スカラロボット分野では2024年も世界シェアNo.1(富士経済調べ)を維持した。

■高生産モデル「LAシリーズ」を拡充、50kg可搬モデルも新登場

今回の新製品では、搬送・組立工程に特化した高生産モデル『LA3/6-A』シリーズを追加。機能を絞り、設置やメンテナンスの工数を削減することで、導入しやすい価格帯を実現した。中小規模の生産現場でも省人化を容易に進められる設計となっている。

また、同社初となる50kg可搬の『LS50-C』シリーズを投入。EVバッテリーなど重量物の搬送工程に対応しつつ、小型・省スペース性を維持している。自社開発の統合ソフトウェア「Epson RC+」と連携することで、部品組立から最終搬送までを一元制御できる点も特長。

■新コントローラーで安全性を強化、バッテリーレス化で保守負担を軽減

『RS4/6-C』『LS50-C』シリーズには新コントローラー「RC800-A」を搭載。処理性能と通信性能を高め、国際安全規格「ISO 10218-1:2011」および北米向け「NRTL(UL1740)」の認証を取得した。安全速度監視(SLS)や安全位置監視(SLP)機能を搭載し、安全性と柔軟なレイアウト設計を両立している。

さらに、マニピュレーターにはバッテリーレス構造を採用し、定期交換が不要となることで保守コストの低減を図った。

■定額保守サービスを新設、長期安定稼働を支援

ロボットの定期点検(2年ごと1回)を含む定額保守サービスを新設し、導入と同時に最長10年間の長期保証が可能。設備保全コストの予算化を容易にし、故障時の突発的な支出を抑制する。既存ユーザーも保証満了後に加入できるプランを用意した。

■自社ユーザーとしてのノウハウを還元

エプソンは時計製造に端を発する精密技術を背景に、自社工場で産業用ロボットを積極的に活用してきた。メーカーでありユーザーでもある立場から、導入支援・ソフト環境・保守までをワンストップで提供し、安全かつ効率的な製造環境づくりに貢献する方針だ。

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