住友商事と日本車両、インドネシアMRT南北線フェーズ2A向け地下鉄車両を受注

・ジャカルタの交通渋滞緩和と大気汚染改善に寄与

住友商事日本車輌製造は10月27日、インドネシア・ジャカルタの都市高速鉄道「MRT南北線フェーズ2A」向けに地下鉄車両48両を受注したと発表した。契約金額は約170億円で、同国の都市交通インフラ整備を支援する日本政府の円借款(STEP:Special Terms for Economic Partnership)が適用される。

本案件は、ジャカルタ特別州が出資するMRTジャカルタ社(MRTJ)が推進する都市鉄道拡張プロジェクトの一環。両社はすでに前段となる「フェーズ1」において96両を納入しており、2019年にインドネシア初の地下鉄として開業した。その高い運用実績が評価され、今回のフェーズ2A車両納入パッケージの受注につながった。

フェーズ2Aでは、既存の南北線を中心部のブンデランHI駅から北部コタ地区まで延伸する計画で、延長距離は約5.8キロメートル。新たに8編成(1編成6両)の地下鉄車両が導入され、納入期間は約56カ月を予定している。

インドネシアでは急速な経済成長に伴い、首都圏での人口集中と自動車交通の増加による渋滞や大気汚染が深刻化している。今回のプロジェクトは、公共交通機関の利便性向上を通じて交通負荷を軽減し、都市環境の改善に寄与するものと期待される。

住友商事と日本車両はこれまで、インドネシアや台湾などで鉄道車両の供給実績を重ねており、MRT南北線ではフェーズ1・2Aを合わせて計144両を納入することになる。今後はジャカルタの東西線をはじめ、他都市での鉄道新設計画にも注目しており、両社は引き続き同国の鉄道インフラ整備への貢献を目指す。

<案件概要>
案件名:MRTジャカルタ南北線延伸 Phase 2A CP206(車両48両納入)
顧客:MRTジャカルタ
路線長:5.8km
運行区間:ブンデランHI ~ コタ地区
車両数:8編成(1編成6両)計48両
納期:56カ月

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