アトラスコプコ、2025年第3四半期売上は3%減の41,621百万SEK

・需要は地域・分野でまちまちも、全体受注は安定・堅調なキャッシュフロー維持

アトラスコプコグループ(Atlas Copco Group):2025年10月23日

スウェーデンの産業機器大手アトラスコプコグループは10月23日、2025年第3四半期(7~9月)の業績を発表した。世界的な需要動向は分野・地域でまちまちだったものの、全体として受注は安定し、堅調なサービス需要と強いキャッシュフローがグループ業績を下支えした。

*1SEK (スウェーデンクローナ)は約16円。

■ 第3四半期業績概要

同四半期の受注高は40,517百万SEK(前年同期:42,080百万SEK)で、為替・M&A影響を除く実質ベースでは横ばい。売上高は3%減の41,621百万SEK(同43,105百万SEK)となったが、実質では1%増加した。営業利益は8,546百万SEK(同9,337百万SEK)で8%減、営業利益率は20.5%(同21.7%)。
一時的要因を除いた調整後営業利益は8,862百万SEK、調整後営業利益率は21.3%だった。税引前利益は8,456百万SEK、1株当たり利益はSEK 1.37。営業キャッシュフローは7,330百万SEKと前年並みを確保し、投下資本利益率は25%となった。

■ 地域別・市場動向

ヴァグネル・レーゴ(Vagner Rego)社長兼CEOは、「全体の受注量は前年および前四半期と比べてほぼ横ばい。サービス需要は引き続き好調に推移した」とコメントした。地域別では、アメリカ大陸と欧州で受注が増加し、アジアは横ばい、アフリカ・中東地域では減少した。

製品別では、産業用コンプレッサは前年並み、ガス・プロセス用コンプレッサは減少。真空機器は半導体業界の需要低迷を受けて減少した。産業用ツールやマシンビジョン装置は自動車業界の投資抑制で弱含み。一方、ポータブルコンプレッサや発電機などパワー機器の受注は堅調で、産業用ポンプは横ばいだった。
全体として、サービス事業およびレンタル関連は全地域で成長を続けた。

■ セグメント別業績

<コンプレッサテクニーク部門>
・産業用コンプレッサは横ばい、ガス・プロセス用は減少
・サービスは堅調に拡大
・営業利益率は25.3%

<バキュームテクニーク部門>
・機器受注はやや減少、サービスは好調
・営業利益率18.5%、調整後営業利益率20.1%

<インダストリアルテクニーク部門>
・機器需要が弱含み、サービスはほぼ横ばい
・営業利益率18.0%、調整後18.8%

<パワーテクニーク部門>
・機器受注が堅調に拡大、サービスとレンタル事業も伸長
・営業利益率17.0%

■ 2025年1~9月累計

1~9月累計の受注は127,208百万SEK(前年同期:131,390百万SEK)で3%減、実質ベースでは横ばい。為替が5%のマイナス影響を与え、買収効果が2%寄与した。売上高は4%減の125,561百万SEK、営業利益は9%減の25,644百万SEK、営業利益率は20.4%(前年21.5%)。調整後では20.8%。営業キャッシュフローは20,019百万SEKと前年(21,066百万SEK)に近い水準を維持した。

■ CEOコメントと今後の見通し

レーゴCEOは「どのような環境下でも、グループの強みを生かすことが重要。迅速かつ責任を持つ分散型経営モデルは、全社員が顧客に集中できる体制を支えている」と述べた。
短期的には、顧客活動水準は現状維持と見込むとしている。

■ アトラスコプコグループについて

アトラスコプコグループ(Atlas Copco Group)は、圧縮空気・真空ソリューション、エネルギー供給・脱水・産業用ポンプ、産業用ツール・組立およびマシンビジョンシステムを展開する産業機械メーカー。2024年の売上高は177,000百万SEK、従業員数は約55,000人。

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第3四半期レポート

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