・ポンプ出荷用に木製代替 — CO₂削減と作業効率向上を両立
古河機械金属グループの産業機械事業会社である古河産機システムズ(東京都千代田区)は10月22日、ナビエース(愛知県春日井市)と共同開発したポンプ出荷用強化段ボールパレットが、2025年日本パッケージングコンテストでジャパンスター賞(日本貿易振興機構理事長賞)を受賞したと発表した。木材の代替素材として段ボールを採用し、環境負荷の低減と作業効率の向上を実現した点が評価された。
同パレットは、木製パレットの使用量削減を目的に開発されたもの。従来、ポンプの出荷ではボルトで固定するため木製パレットが一般的だったが、段ボール化にあたっては強度や固定性が課題だった。古河産機システムズとナビエースは、ボルト締めに耐える強化段ボール構造と、衝撃によるボルト外れを防ぐ設計を共同で考案し、実用化に至った。
製品は最大200kgまでのポンプを安全に保持可能で、1つのパレットで10種類の異なる形状・重量のポンプに対応できる汎用性を持つ。紙素材のため穴開けが容易で、組立梱包時間を70%、開梱時間を90%短縮した。木材を使用しないことで産業廃棄物とCO₂排出量を約61%削減したという。
設計面では、フォークリフトとの接触を防ぐ段差や作業用手穴を設けるなど、現場での取扱性にも配慮した。今後はポンプ出荷工程への本格導入を進め、環境対応型物流資材として展開を拡大していく方針である。
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