住友商事、ベトナム・ダナン市で流れ込み式水力発電事業に出資

・同国初の水力発電案件として49%の株式を取得、脱炭素化と電力安定供給に貢献

住友商事は10月22日、ベトナム中部・ダナン市で稼働中の流れ込み式水力発電事業「Dak Di 1・2」(総発電容量48メガワット)に出資したと発表した。再生可能エネルギー開発会社GreenSpark Group(ベトナム・ラオカイ省)から、事業運営会社Mekong Electric Power Engineering and Development Joint Stock Companyの株式49%を取得したもので、同社にとってベトナムにおける水力発電事業への初参入となる。

本事業は2022年に商業運転を開始し、ベトナム国営電力公社(EVN)グループとの間で20年間の売電契約を締結済み。住友商事は今回の出資を通じて、再生可能エネルギー電源の拡大とともに、ベトナム政府が掲げる2050年カーボンニュートラル目標の達成に寄与する考え。

同国では経済成長に伴う電力需要の急増に加え、太陽光や風力などの変動型再生可能エネルギーの比率上昇により、電力系統の安定確保が課題となっている。このため政府は、天候や時間帯に左右されず安定的に発電できるベースロード電源として、水力発電の導入拡大を推進している。Dak Di 1・2プロジェクトは、地域の電力安定化とエネルギー安全保障の強化に貢献するものと位置付けられている。

住友商事は今回の出資を戦略的な第一号案件とし、今後もベトナム国内での優良水力発電事業の取得・開発を検討する方針。さらに、2024年に導入された民間企業間の電力売買制度(ダイレクトPPA)を活用し、同社が保有する工業団地やスマートシティへの再生可能エネルギー供給にも取り組む。

同社は中期経営計画で掲げる「エネルギートランスフォーメーション」分野を成長領域と位置づけており、今回のベトナム案件を通じて、脱炭素社会の実現と持続可能なエネルギー供給体制の構築を一層加速させる。

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