ナブテスコ、油圧機器事業の分割・譲渡を12月に延期

・伊コマー(Comer)との契約、許認可手続きに遅れ

精密制御機器大手のナブテスコは10月23日、イタリアのComer Industries S.p.A.(コマー・インダストリーズ)との間で進めている油圧機器事業の会社分割および株式譲渡について、実行時期を当初予定の10月から12月に延期すると発表した。

同社は7月31日に、油圧機器事業を簡易吸収分割により新設するコムテスコ株式会社に承継させた上で、同社株式をComerに譲渡する計画を公表していた。9月17日には吸収分割契約を締結し、10月中の効力発生を目指していたが、契約条件の一部となっている許認可取得関連の手続きに遅滞が発生したため、スケジュールの変更を余儀なくされた。

同社は延期の理由について、クロージングに向けて準備を進めてきたものの、契約条件の一部である許認可取得関連手続きに遅滞が発生したためと説明。今期業績への影響は軽微と見込んでおり、開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表するとしている。

今回の取引は、ナブテスコが事業ポートフォリオの見直しを進める中で、油圧機器事業を農業・建設機械向け駆動システムに強みを持つComerに譲渡することで、双方の競争力強化を図るもの。新たなスケジュールでは、12月中に吸収分割の効力発生と株式譲渡の実行を完了させる予定だ。

ナブテスコは鉄道車両用ブレーキシステムや産業用ロボット向け精密減速機などで高いシェアを持つ精密機器メーカー。今回の事業再編により、コア事業への経営資源の集中を加速させる構えだ。

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