・MidrexとのコンソーシアムでERGより大型プロジェクト獲得、年間200万トン生産体制へ
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies) :2025 年 10 月 20 日、ロンドン発表
プライメタルズ テクノロジーズ(本社:英国ロンドン)は、米国Midrex Technologiesとのコンソーシアムを通じて、ユーラシアンリソーシズグループ(ERG)よりホットブリケットアイアン(HBI)製造プラントの建設プロジェクトを受注した。建設地はカザフスタン・ルドヌイで、年間200万トンのHBI生産能力を持つ「MIDREX® Flex」プラントが新設される。
本案件は、ERGが推進する国家戦略プロジェクトの一環であり、プライメタルズ テクノロジーズにとって中央アジア市場における大型受注となる。契約には詳細設計、主要プロセス設備の供給、自動化システムの導入などが含まれ、先行設計・基本設計フェーズを経て本格的な建設段階へと移行する。
■環境対応型製鉄技術でCO₂排出量を半減
プラントは天然ガスを還元剤とするMIDREXプロセスを採用し、従来の高炉ルートと比較してCO₂排出量を50%以上削減可能。将来的な水素還元への対応も可能な設計で、持続可能な製鉄技術として注目される。
プライメタルズ テクノロジーズ グローバル事業部門上流技術担当EVP、Andreas Viehboeck氏は「本プロジェクトの中核を担えることは大きな誇り。カザフスタンの金属産業の新時代を切り拓く契機となる」と語る。
■地域雇用創出と経済効果
ERG子会社QazIron ERG LLPが推進する本プロジェクトの総投資額は約12億米ドル(6,500億テンゲ)に達し、地域で1,000件以上の雇用創出が見込まれている。稼働開始は2029年を予定。
■設備構成と技術要素
新設プラントには直径7.15mのMidrexシャフト炉、低NOxバーナー搭載のリフォーマー、熱間微粉リサイクルシステム、レベル1・2の自動化システムが導入される。炉頂ガス圧力の最適化と排ガス用ホットファンにより、生産性向上と電力消費削減を両立する。