NTN、手首関節モジュール「i-WRIST」を核に外観検査ソリューション、画像処理企業などと協業体制構築

NTNは10月17日、手首関節モジュール「i-WRIST(アイリスト)」の応用拡大を図り、画像処理システムメーカーやロボットSI(システムインテグレーター)と連携した外観検査ソリューション提案体制を整備したと発表した。ハードウェア制御に加え、ソフトウェアやAIを組み合わせ、生産現場の自動化や品質向上を支援する。
同社の「i-WRIST」は独自のリンク機構を採用し、人の手首のような滑らかな動作と高精度・高速の角度制御を実現したロボットモジュール。先端にカメラやディスペンサーなどのエンドエフェクターを装着することで、外観検査やグリース塗布など多様な工程の自動化に対応できる。

製造現場では省人化やEV化を背景に、大型ダイカスト部品など複雑形状ワークの生産が増加。特に外観検査工程では、多数の検査ポイントを持つワークに柔軟に対応できる自動化ニーズが高まっている。NTNは今回の協業体制により、「i-WRIST」の高速モーション制御と画像処理技術を融合。画像処理に最適な撮像条件を実現する設備の組み合わせで、高精度な欠陥検出を可能にする。

また、協業各社の専門性を活かしたシステム提供の枠組みを整備。ユーザーの設備仕様や検査条件、導入時期、予算などの要素を踏まえ、システム設計から画像処理検証、シミュレーション、AI判定、サンプルテストまでを連携して提供する体制を構築した。NTNは「i-WRIST」を活用した外観検査ソリューションの展開を通じて、生産現場の効率化と品質向上への貢献を目指す。

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