・ARAVと協業、ネットワーク環境がない現場でのDX推進と安全性向上を目指す
シャープは10月21日、建設機械向けの遠隔操縦技術を手がけるARAV(東京都文京区)と、衛星通信を活用した建設機械の遠隔操縦ソリューションの共同開発に着手したと発表した。ネットワーク環境が整っていない現場でも安定した通信を実現し、建設分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。
衛星通信は、山間部や離島、海上などセルラー通信が届きにくい地域でも通信が可能で、近年は建設現場における活用が注目されている。シャープはスマートフォン開発で培った通信技術を応用し、高品質かつ高速な衛星通信ユーザー端末を開発中で、小型・軽量設計により船舶や車両への搭載も可能としている。一方のARAVは、建設機械の遠隔操縦・自動操縦技術に強みを持ち、国内外で多くの導入実績を有する。
両社は、それぞれの技術を融合し、シャープの衛星通信端末とARAVの操縦技術を組み合わせたソリューションを早期に開発。通信インフラが未整備な建設現場でも遠隔操縦を実現し、作業員の安全確保や人手不足の解消に貢献する狙いだ。
2026年春には、国内のテストフィールドに設置した建設機械を、台湾から衛星通信を通じて遠隔操縦する実証実験を予定しており、自動操縦の試行も行う。通信の安定性や操作性を検証し、実運用に向けた課題を洗い出す。
この取り組みは、10月30日から11月9日まで東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」のARAVブース(東7ホール・E7204)に参考展示される予定。
【協業概要】
・目的:衛星通信を活用した建設機械の遠隔操縦ソリューション開発
・両社の役割:
― シャープ:衛星通信ユーザー端末の開発(NICT助成事業 JPJ012368G50501)
― ARAV:遠隔操縦・自動操縦技術の提供
・実証実験:2026年春、台湾から国内建機を衛星通信で遠隔操縦予定
・展示:Japan Mobility Show 2025(ARAVブース/東7ホール・E7204)
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